鳥たちの旅/樋口広芳
鳥インフルエンザウイルスの媒介者として、渡り鳥が有力視されています。
昨年、宮崎・岡山でニワトリ、今年、秋田・北海道でオオハクチョウに感染が確認された鳥インフルエンザH5N1亜型ウイルスを日本に持ち込んだのは、渡り鳥ではないかという説です。
それで、渡り鳥について1冊と思って読んだのが「鳥たちの旅」です。
なお、著者の樋口広芳さんは、オオハクチョウのH5N1感染の経路を調査するため設置された環境省の「感染経路等調査ワーキンググループ」の委員です。
・ 関連エントリー:ハクチョウが感染したH5N1と、今年、韓国で発生しているH5N1がほぼ一致(追記)(2008.05.22)
この本を読んで思ったのは、渡りの経路て意外とわかっていないんだなてこと。
渡りの経路がある程度わかるようになったのは、この本の主題の衛星による鳥の追跡ができるようなってからのようです。
鳥に付ける発信機が小型化され、バッテリーの改良により寿命が長くなって、ハクチョウやハチクマなど発信機を付けられても、まだ、研究は、渡りに影響しない比較的大型の鳥に限られています。
それでも、随分色々なことがわかってきているんですね。
オオハクチョウは東日本からシベリアの繁殖地に渡るまでの間に、何回か湖沼で一休みするということや、集団で渡っているイメージが強かったのですが、家族単位の小集団で渡るということなど、新鮮に感じました。
そして、越冬地や繁殖地の環境ばかりではなく、中継地の環境も、渡り鳥の生息に大きく関係しているとのことです。
まだまだ、わからないことが多いみたいだけれど、なかなか面白い本です。
鳥たちの旅 - 渡り鳥の衛星追跡 -
樋口広芳 (Higuchi Hiroyoshi) /日本放送協会(NHKブックス)/2005
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