有頂天家族/森見登美彦
「有頂天家族」を読み始めて、そう、最初の20ページくらいは、その文体や設定に体が馴染まず、物語に入り込めませんでした。以前、このブログでも紹介した「夜は短し歩けよ乙女」を読んだ時は、冒頭から物語に入り込めたので感じなかったけれど、森見登美彦の作品に抵抗感を示す人は、きっとこの奇妙な設定や語り口に馴染めないんだろうなと思います。
「有頂天家族」は、鍋にされあっけなくこの世を去った偉大なる父を持つものの、それぞれに欠点を持つ狸4兄弟とその気丈な母の話です。
狸、天狗そして人間が絡み合いながら物語が進み、段々と父の死の真相がわかっていきます。そして、自分達家族の汚名を挽回するために兄弟が協力する姿に、僕は引き込まれていきました。
まあ、「有頂天家族」もハチャメチャな話ですが、どこかのほほんと暖かくなるのが森見の小説の魅力かな。
それと、「夜は短し歩けよ乙女」と同じように京都の街が素敵に描かれています。下手なガイドブックよりもずっと京都に行きたくなる本でもあります。
有頂天家族
森見登美彦/幻冬舎/2007
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