ハクチョウが感染したH5N1と、今年、韓国で発生しているH5N1がほぼ一致
4月から5月にかけて秋田県の十和田湖や北海道の野付半島、サロマ湖でオオハクチョウに感染した鳥インフルエンザH5N1亜型ウイルスと、韓国で現在、ニワトリなどの家きんで問題になっているH5N1と相同性が高いという環境省の発表を、NHKが報道していました。また、日本経済新聞では、99.7%以上の遺伝子配列が一致したと報じています。
また、農林水産省の家きん疾病小委員会では、秋田や北海道のオオハクチョウのH5N1は、「国内のニワトリで発生したH5N1の京都のウイルスとも、宮崎・岡山のウイルスとも別系統であり、また、インドネシアやベトナムで発生しているウイルスとも別系統である」と発表しています。
参照エントリー:ハクチョウに感染したH5N1ウイルスの感染ルートの糸口?(2008.05.15)
昨年の宮崎県や岡山県の養鶏場のニワトリに感染したH5N1は、一昨年から昨年にかけて韓国で発生したH5N1と相同性が高いことから、日本へは渡り鳥によってウイルスが持ち込まれたという説が有力です。ただ、この時は熊本県のクマタカ1羽に感染が確認された以外、日本の野鳥からH5N1の感染は確認されていません。
情報を総合すると、今回のH5N1は昨年の韓国のウイルスとは別系統のようでが、今回も韓国や大陸からウイルスが渡り鳥に運ばれて、国内にいたオオハクチョウに感染したということだろうか?
大陸→朝鮮半島→日本で渡ったウイルスと、シベリア→日本と渡ったオオハクチョウが、日本のどこかで出合ったのだろうか?
仮にニワトリのようにオオハクチョウがH5N1に弱いとしたら、死んだオオハクチョウの数が少ないような気がするし、オオハクチョウがカモのように強いとしたら、H5N1がオオハクチョウに日和見的に感染していたことも考えられるし・・・
疑問符 が多いですね。
環境省は専門家会議を設けて感染経路を詳しく調べるようだから、昨年の農水省の高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームのような報告を待ちたいです。
参照エントリー: 高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームの報告書は、推理小説のようで面白い(2007.10.25)
関連エントリー:ハクチョウが感染したH5N1と、今年、韓国で発生しているH5N1がほぼ一致(追記)(2008.05.22)
鳥インフル 韓国とほぼ一致
この問題は、先月から今月にかけて、秋田県の十和田湖と北海道の野付半島、サロマ湖の3か所で、毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザウイルスに感染したオオハクチョウが見つかったものです。このうち十和田湖で見つかった白鳥のウイルスについて、茨城県つくば市にある動物衛生研究所で詳しく調べたところ、ことし4月、韓国南部のチョルラ北道キムジェで感染が確認された鳥インフルエンザウイルスと遺伝子のパターンがほぼ一致していることがわかりました。十和田湖と北海道の2か所で検出された鳥インフルエンザウイルスは、これまでの分析でいずれも遺伝子のパターンがほぼ一致していることがわかっており、環境省では、韓国から日本に渡ってきたかもなどの野鳥を介して、白鳥に感染が広がった可能性があるとみて、新たに専門家会議を設けて感染経路について詳しく調べることにしています。
2008/05/21/NHK
秋田の鳥インフル、韓国のウイルスと遺伝子一致・環境省
遺伝子検査は動物衛生研究所が実施した。秋田県の十和田湖畔でハクチョウから検出されたウイルスを、韓国で4月に鳥インフルエンザが発生した全羅北道・金堤市のウイルスと比較、99.7%以上の遺伝子配列が一致していたという。
国内の3カ所で4月以降に検出されたウイルスは、遺伝子がほぼ同一であることが判明済み。検査結果から韓国と同じ感染源から渡り鳥などによってウイルスが持ち込まれたとみられるが、ウイルスの遺伝子が一致しても韓国から持ち込まれたと断定することはできない。
2008/05/21/日本経済新聞
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