十和田湖のハクチョウは鳥インフルエンザH5N1に感染していた
昨日、報道された十和田湖のハクチョウで感染が確認された鳥インフルエンザH5亜型のノイラミニダーゼ(NA)は、1型だったようです。日本経済新聞が報じています。
十和田湖へのハクチョウの飛来時期を調べようと思って、ネットをうろうろしていました。そこで、見つけたのがブログ「憧れの、十和田・奥入瀬」の「今年も十和田湖に白鳥が飛来!」というエントリーです。
この記事によると、2007-'08年の冬に十和田湖にまとまってハクチョウが飛来したは、'07年11月のようです。
今回、鳥インフルエンザH5N1亜型に感染したハクチョウが、秋田県北部家畜保健衛生所に回収されたのが4月21日です。(参照:死亡した白鳥からのインフルエンザウイルス(H5亜型)の検出について/秋田県 (2008.04.28)PDF 67KB)
ハクチョウの生態に僕はほとんど知識を持っていないけれど、感染したハクチョウは冬の間、十和田湖に居て、春になりシベリアへ渡るところだったのだろうか。
キジ科のニワトリがH5N1に感染すると、ほとんど数日中に死んでしまいます。H5N1の自然界の宿主とされているカモは、このウイルスに強いけれど、同じカモ科のハクチョウはどうなのだろう。
高病原性鳥インフルエンザでも病原性の弱いH5N2亜型は、感染を繰り返すうちに病原性が増すという鳥取大学の研究を、少し前の朝日新聞が報じていました。
H5N1でもそのようなことが起こるのだろうか?
今回のハクチョウは日本に飛来する前にH5N1に感染していて、ウイルスがハクチョウの間で感染を繰り返すうちに病原性を増し、最終的に死に至らしめるほどの病原性に変異したのだろうか?
それとも、十和田湖でH5N1に耐性のある他の渡り鳥から感染したのだろうか?
調査が進められ、そのあたりもわかると思うけれど、興味があるところです。
それと、渡りをしない野鳥のH5N1の感染状況も調べられるんだろうね。
秋田・十和田湖の鳥インフル、強毒性の「H5N1型」
秋田県・十和田湖畔で見つかったハクチョウから検出された鳥インフルエンザウイルスは強毒性のH5N1型であることが、29日分かった。
2008/04/29/日本経済新聞
毒性弱い鳥インフルエンザ感染繰り返すと強毒化 鳥取大
茨城県の養鶏場で05年に発生した非常に毒性の弱い高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N2型)を、ヒヨコに感染させて増やし、別のヒヨコに感染させ続けると、毒性の強いウイルスに変化することを、鳥取大学農学部の伊藤寿啓(とし・ひろ)教授(獣医公衆衛生学)らのグループが突き止めた。感染を繰り返すと強毒化することは指摘されてきたが、実験で確認されたのは初めて。
伊藤教授らは、茨城県の養鶏場から採取したウイルスを、ヒヨコの肺に入れて感染させ、増えたウイルスを別のヒヨコの肺に入れるという実験を17回、さらにそのウイルスを脳に入れる実験を11回続けた。その後、そのウイルスをニワトリ8羽に注射すると、2日以内にすべて死んだため、強毒化したと判断した。H5N2型を同様に注射しても死ななかった。農水省によると、茨城県の問題で処分されたのは41養鶏場の約580万羽。弱毒性ウイルスで、強毒化するかどうかわからなかったため、処分に対する批判も出ていた。
伊藤教授は「あくまでも実験室のデータだが、強毒化の可能性が出た。発生した場合は一日も早く封じ込めをしないといけない」と話した。今後、遺伝子の変化などを調べ、H5N2型がいかに強毒化したか仕組みを探るという。
2008/04/03/朝日新聞
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