失敗は予測できる/中尾政之
不祥事やら事故やらがよく報じられるけれど、多くの場合、遠くで起こったことであったり別の分野のことであったりするので、非難的、評論的な立場をとっても、そのことを自分や自分の周りにも起こりうることと、なかなか関連付けて考えることは難しいですね。ましてや、そこから得られたものを教訓として、自らの仕事や生活に活かすとなると、さらに行われないじゃないでしょうか。
きっと、同じような不祥事やら事故が繰り返すのは、そういった不祥事や事故を他人事として考えているからと思ったりもします。
「失敗は予測できる」では、失敗の事例を数多く集めると、いくつかのパターンに分類できるとします。まったく違った場面で起こった失敗を、自分の周りでも起こりうると関連付ける想像力が必要と説きます。
そして、失敗が何故起きたか、その原因を探る時に、「いかに作るか(how to make)」の段階ばかりではなく、「何をすべきか(what to do)」まで遡って考えなければならないと記します。
これは、何のために行った行為の失敗なのか、手段ではなく目的まで遡ることだから、結果として大きな方針転換になるのかもしれません。
こういうことは、組織でも個人でもなかなかできないものだよね。
「他山の石」とか「人のふり見て我がふり直せ」とか昔から言われていることだけど、そのことを改めて考えさせられました。
失敗は予測できる
中尾政之/光文社(光文社新書)/2007
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