インターフェロンの生産に関係するたんぱく質を理化研が発見
ウイルスが感染した時にだけ現れるたんぱく質が、インターフェロンの生産量に関係しているという研究結果を独立行政法人 理化学研究所からプレスリリースされています。
参照:「抗ウイルス反応を増強する重要分子「PDC-TREM」を発見 - 形質細胞様樹状細胞がⅠ型インターフェロンの産生を増幅する仕組みが明らかに - 」/独立行政法人 理化学研究所 (2008.02.19)
このたんぱく質は「PDC-TRM」と名づけられ、PDC-TRMの量を人為的にコントロールして、その結果、インターフェロンの生産量もコントロールできれば、新型インフルエンザウイルスの体内での増殖を抑制できる可能性があるようです。
インターフェロンはサイトカインの一種で、ウイルスの増殖阻止する働きをするのだけど、1918年に発生した新型インフルエンザH1N1亜型(スペイン風邪)では、若く元気な人を中心にサイトカインが過剰生産され、逆に死亡原因となったといわれています。
まあ、薬と毒は紙一重だから、微妙な問題があるのかもしれません。
今回の理化研の研究が、上手い具合に進展して新薬が開発され、新型インフルエンザ対策のひとつの手段となればいいですね。
インターフェロン:増量分泌のたんぱく質発見 理化研
体内に侵入したウイルスを撃退するインターフェロンの分泌を増やすたんぱく質を、理化学研究所の研究チームがマウスで発見した。致死量のウイルスに感染したマウスに、このたんぱく質を活性化する物質を投与し、救命することにも成功した。同様のたんぱく質はヒトにもあると考えられ、新型インフルエンザなどの大流行に対抗する新薬の開発などにつながる成果だ。18日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
インターフェロンは、ウイルスや細菌に感染した時に細胞から分泌され、病原体の増殖などを抑える。
理研免疫・アレルギー科学総合研究所の渡会浩志(わたらいひろし)上級研究員らは、インターフェロンを生産するマウスの細胞の細胞膜で、ウイルス感染時だけに現れるたんぱく質を発見し、PDC-TRMと名づけた。PDC-TRMの働きを弱めると、インターフェロンの生産量が10分の1に減ることを確認した。
また、PDC-TRMを活性化する物質をマウスに投与したうえで、通常のマウスなら100%死ぬ量のヘルペスウイルスに感染させたところ、約8割は死ななかった。
渡会さんは「人為的にインターフェロンの量を増やせれば、新しいウイルスに対しても感染初期にはかなり有効だ。インターフェロンが多すぎて起こると考えられている膠原(こうげん)病など自己免疫疾患の治療にもつながるのではないか」と話している。【西川拓】
2008/02/19/毎日新聞
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