太陽活動と地球温暖化
時事通信が、京都大学大学院付属天文台の太陽表面に新たな黒点が確認され、太陽の次の活動周期が始まったとの発表を報じていました。
この記事を読んでいて「地球温暖化」(伊藤公紀著 日本技術評論社 2003年)で、太陽の黒点と地球の気温の関係が書かれていたことを思い出しました。
黒点は太陽活動が活発になると増えるそうです。太陽活動が活発になれば、到達するエネルギーが増え、地球の気温が上昇するという考え方です。この本では、黒点数と気温の相同性の高いいくつかの研究結果も紹介されています。(3章 新聞記者との会話 - 太陽の気候影響)
素人の僕にはわかりやすい考え方だけど、結論はでていないようです。
「IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約」(気象庁訳 2007年)(PDF)には、地球温暖化(放射強制力)をもたらす要素が掲載されてます。(表1は報告書 P4の表をもとに作成)
それによると、2005年時点の世界平均の放射強制力の推定値(推定幅)は、温室効果ガスやオゾンなど人為的起源によるものが1.6(0.6~2.4)W/m2に対し、太陽放射は0.12(0.06~0.30)W/m2と、太陽の影響は小さく推定されているものね。
よくわからないものですね。
太陽表面に新たな黒点=次の活動周期始まる-京大天文台
京都大大学院付属天文台は8日までに、太陽の表面に新たな黒点を確認し、太陽活動の次の周期が始まったと発表した。同大飛騨天文台(岐阜県高山市)の太陽磁場活動望遠鏡「SMART(スマート)」の画像を分析した。
太陽の黒点の数は、約11年の周期で増減する。前回の周期は1996年に始まり、2001年ごろに最も黒点の数が多くなる極大期を迎え、減少していった。
同天文台はスマートなどで、前回の周期とは別の領域に新たな黒点が現れたのをとらえた。
黒点は数千ガウスに達するほど磁場が強く、その影響で周囲よりも温度が低いため黒く見える。周辺ではフレアと呼ばれる爆発現象が起きることが多い。
同天文台の上野悟助教は「太陽活動の周期の長さと地球気温の変化の関係が指摘されており、次の周期の観測は地球気候変動を予測するためにも重要だ」としている。
2008/01/08/時事通信
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