急性中毒を起こすほどの農薬が、何故、餃子に残留したのだろう?
中国製の冷凍餃子で、メタミドホスなど有機リン系農薬が原因の健康被害が出たとのことです。
有機リン系の殺虫剤は、神経伝達を混乱させるから、広範囲の害虫、そして多量の場合はヒトにも影響があるものね。
朝日新聞によると、メタミドホスのラットでのLD50値は16mg/kgで、毒物劇物取締法の毒物に相当するそうだから、毒性は高いのでしょう。
でも、餃子の具に使われた野菜の栽培中に散布された農薬が、中毒症状が出るほど残留するんだろうか?この点は、厚生労働省も指摘しているよね。
時々、残留基準やポジティブリストの一律基準の値を超えた農薬が、野菜などから検出されたとの記事を目にすることがあるけれど、基準値は、その食品を生涯、毎日食べても安全な量だから、少しばかり基準値を超える農薬が検出されても、健康被害はほとんど起こらないと思います。
なんで中毒を起こすほどの農薬が混入していたのか、その原因は何なんだろう?
中国製ギョーザで10人中毒症状 農薬検出 千葉・兵庫
日本たばこ産業(JT)子会社の「ジェイティフーズ」(東京都品川区)が輸入した冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3家族計10人が下痢や嘔吐(おうと)などの中毒症状を訴え、このうち、女児(5)が一時意識不明の重体になっていたことが30日、わかった。いずれも中国の食品会社「天洋食品廠公司」の製造。両県警がギョーザを鑑定したところ、メタミドホスなど有機リン系農薬が検出されたため、ジェイティフーズは、同公司製造の23品目、約58万点の自主回収を開始。冷凍食品大手の「加ト吉」(香川県観音寺市)も、同公司に委託製造した冷凍串カツ6種の回収を始めた。味の素グループの「味の素冷凍食品」も同日夜、中国の問題の工場で加工した牛肉を使った冷凍チャーハンの製造をしていることを確認、自主回収を始めることを明らかにした。
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厚労省の藤崎清道食品安全部長は30日夜、緊急記者会見を開き、「通常の残留農薬では考えにくい急性症状が出ている」と述べ、現状で発生件数が限られていることなどから、生産段階で使用された農薬が中毒の原因となった可能性は低いとの見方を示した。
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〈メタミドホス〉 主に殺虫のために使用される有機リン系の農薬の一つ。日本では農薬として登録されていないが、中国では農薬として一般的に利用されているという。中毒症状としては、神経が異常に興奮状態となり、吐き気や発汗、瞳孔の縮小などが現れる。ひどい時には呼吸障害から昏睡(こんすい)となり、死亡に至る。内閣府食品安全委員会によると、一度に口から与えて半数が死ぬ「半数致死量」は、ラットの場合、体重1キロ当たり16ミリグラムで、急性毒性は毒物劇物取締法の毒物に相当する。
2008/01/30/朝日新聞
・ 追記 2008.01.31
☆ 厚生労働省のトップページ「緊急情報」の「中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害事例の発生について」として、今回の情報が掲載されています。情報は、順次更新され、01.31 22:30現在、第4報まで掲載され、第4報では、● 都道府県等に係る相談窓口の連絡先、● Q&A、● 冷凍ギョウザの製造者(河北省食品輸出入集団天洋食品工場)のすべての製品などがアップロードされています。
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