山場CMを不快に感じている人、多いんだね
テレビ番組の内容が佳境に入ったときに入る、いわゆる「山場CM」に対し視聴者は不快感を抱いているという榊博文・慶応義塾大教授の調査研究をasahi.comで読んだとき、「歌田明弘の『地球村の事件簿』」に「CMにこれほどイライラさせられているのは日本人だけ?」として紹介されていたことを思い出しました。このブログを読んだときも、「山場CM」に対して僕と同じような感じ方を持っている人が多いんだと思いました。
榊・慶大教授の調査は、20~30歳台の人を中心としたもので、すべての世代でそういう結果になるのかはわからないけれど、僕もさあどうなるんだと思ったときにCMが入ると不愉快になるし、CMを提供した会社やその商品に対するイメージも悪くなるものね。民放が広告収入で成り立っていることは承知しているつもりでも。
逆にサッカー中継で、中継画面を表示しながらテロップでCMを流すことが極稀にあるけれど、こういった会社には好感を持ちます。
でも、視聴者のこの感じ方って、CMを提供する側や放送局はわかっていないんだろうか。
もっとも、これからはテレビ自体が余り見られなくなったり、デジタル放送とハードディスク・レコーダなどが普及して、CMをスキップして見ることが簡単にできるようになれば、CMのあり方自体が変わるのかもしれません。
この調査結果は「広告の文化論 - その知的関心への誘い」(真鍋 一史/日経広告研究所) の「番組内CM提示のタイミングが視聴者の態度に及ぼす影響」として読めるようだけど、この本2,625円、ちょっと高くて・・・
「正解はCMのあと」は逆効果 視聴者86%「不愉快」
場面を盛り上げるだけ盛り上げておいてから「正解はCMのあとで」「最新情報はこのあとすぐ」。こんなテレビの「山場CM」が多い番組に視聴者が不快感を抱いていることが、榊博文・慶応義塾大教授(社会心理学)らの調査で明らかになり近著で発表された。国際比較でも日本の山場CMは欧米より格段に多い。テレビ局側の思惑とは裏腹に、そうしたCMへの好感度が低くなり商品の購買意欲も下がるという。
榊研究室は、慶大通信教育部、文学部の727人を対象にアンケートを02年に実施。調査対象の半数近くが20代で、次いで30代が多かった。
調査では、視聴者をCM明けまで引っ張ろうとする山場CMに対する印象として、強い肯定から強い否定まで九つの尺度で聞いた。「不愉快」について86%が肯定。CM明けのシーンの繰り返しには、74%が「イライラする」と回答した。
山場CMを含む番組については、84%が「好感が持てない」。山場CMの商品について42%が「好感が持てない」、34%が「買いたくない」と回答。それぞれ60%前後あった「どちらともいえない」を除けば大半がマイナスの評価だった。
話の流れが落ち着いたところで出る「一段落CM」と比較すると、山場CMが「商品を買いたくない」で3.8倍、「商品を覚えていない」も2倍と本来の効果をうち消していた。
また、日本と欧米のテレビ番組の山場CMを02~03年に比較した。ニュース、ドキュメンタリー、ドラマなど7分野で各国の代表的な3番組ずつを録画して比率を調べた。
その結果は、日本の40%に対し米国は14%で、CMのタイミングが法律で規定されている英国は6%、フランスにいたってはゼロだった。
2007/10/06/朝日新聞
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