夜のピクニック/恩田 陸
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ベストセラーになった本を割と読むようになったのは、ここ数年のことです。そんなわけもあって、恩田 陸の名前はNHKのドラマの「六番目の小夜子」を通して知っている程度でした。
「夜のピクニック」は、近所の本屋の店頭に平積みにされていたのが目に留まり、余り予備知識も無く、週末の読書用にと買ってきたものです。
読んでみて、とても面白かった。それで、恩田作品に興味を持って、「六番目の小夜子」「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」「三月は深き紅の淵を」「図書室の海」と立て続けに読んでみました。ただ、これら作品がサスペンスというかホラーというかドロドロしているのに対し、「夜のピクニック」は切ない青春小説といった印象を受けました。
ただ、共通しているのは、それぞれの物語はそれはそれで完結しているけれど、次につながりがあるようなすっきりした終わり方をしないという感じを持ちました。
「夜のピクニック」は、主人公の高校生の男女ふたりの過去とそして現在に至るわだかまり、戸惑い、思いが、高校の夜間歩行というただひたすら一昼夜歩き続ける行事の中で、彼らの仲間とともに淡々と語られます。
切なく優しい、いい物語です。
すでにベストセラーになった本を読むのは、照れというか、やせ我慢というか、食わず嫌いというか、妙な抵抗感があったのですが、やっぱりそれは損なことだと、この小説を読んで思いました。
追記
2007.10.21付け朝日新聞の朝刊に「千人70キロ 夜のピクニック」というタイトルで、茨城県立水戸第一高等学校の強歩大会を紹介していました。この記事を読むまで、「夜のピクニック」が実在する行事をベースにしていること、恩田さんが同校の卒業生であることを知りませんでした。
夜のピクニック
恩田 陸/新潮社(新潮新書)/2004(初出)
・ 書籍の紹介一覧 B0062
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