新たな作用点をもった抗インフルエンザ薬の開発
新たな作用点を持つ抗インフルエンザ薬を慶応大学の研究チームが開発し来年にも臨床試験に入ることを、日本経済新聞が報じています。
現在、新型インフルエンザの数少ない対策のひとつとして、タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬があります。この薬は、インフルエンザウイルスが感染した細胞内で増殖し、感染細胞から脱出するのを阻害することにより、ウイルスの増殖の拡大を防ぐものです。
一方、今回、開発された薬は、ウイルスが気道から体内に侵入するのを防ぐものだそうです。新聞記事によると、ウイルスが体内に侵入する際、標的とする細胞表面の「糖鎖」に「ペプチド」(アミノ酸が複数つながってできた物質)をくっつけて、侵入を妨害するとのことです。詳しいことはわからないけれど、面白い働きですね。
これから、動物での安全性の確認、そして臨床試験と、実用化されるまでに時間がかかりそうだけど、新型インフルエンザ対策に新たな手段が加わる可能性があるわけで、期待したいな。
ところで2007.01.25のエントリーに書いた、ウイルスが感染細胞内で増殖するのを阻害する富山化学工業の新薬の臨床試験は、順調に進んでいるのだろうか?
インフルエンザ 気道でブロック 慶大、細胞で感染させぬ薬開発
慶應義塾大学の佐藤智典教授は、新しい仕組みで作用する抗インフルエンザ薬を開発した。口から吸い込んで感染場所となる気道でウイルスを待ちかまえ、体内の細胞に進入するのを防ぐ。感染した細胞からウイルスが出てくる”出口”を抑える従来品とは異なり、”入り口”でブロックする。動物で安全性などを調べた後、来年にも臨床試験に入る計画だ。
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インフルエンザはウイルスが体内細胞に侵入して増殖し、細胞外へ出て広がっていく。従来の抗ウイルス薬「タミフル」などはウイルスの細胞の出口をとめ、ウイルスの増殖を抑える。
研究チームは、ウイルスが細胞表面の生体分子「糖鎖」を目印にくっつく過程に着目した。新薬はウイルスの糖鎖認識部分に「ペプチド」という物質を結合させた。この結果、ウイルスは細胞侵入の目印が分からなくなり、感染を防げる。さらに、開発した薬剤を吸い込むと、気道上部にうまく送り込めることも、製薬会社のシミュレーション(模擬実験)で分かった。
2007/10/08/日本経済新聞
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