大地動乱の時代/石橋克彦
昨日のエントリーに昨日未明に発生した神奈川県西部の地震について書きました。
マグニチュード4.9(暫定値)の規模の小さな地震だけど、東海地震との関係が少し気になりました。
それは、随分前に読んだ石橋克彦さんの「大地動乱の時代」の内容を思い出したからです。
石橋さんは東海地震説を唱えた研究者ですが、この本では主に東海・関東地方に発生する巨大地震のメカニズムについて書かれています。
その中で小田原付近の神奈川県西部の地震と東海地震、関東地震の周期的な連動性を指摘しています。
下の図は、同書から引用したものですが、小田原地震は1633年3月、1703年12月、1782年8月、1853年3月、1923年9月におよそ70年周期で発生しています。
一方、東海地震は1707年10月、1854年12月、1944年12月(1944年の地震は駿河湾の部分では発生せず空白域と呼ばれている)に発生し、1703年12月、1853年3月、1923年9月の小田原地震に引き続き発生しています。
また、関東地震は1703年12月、1923年9月と1703年12月、1923年9月の小田原地震と同時に起きています。
もちろん、筆者はわずか最近400年と前置きしていますが、この周期性と連動性は僕の興味を引き、小田原で大きな地震が起こったら東海地震を注意しなければなあ、とこの本を読んだ時思いました。
まあ、東海地震140年周期や小田原地震の70年周期を現時点で経過しても、この地域では巨大地震は発生していないし、今回の地震は小さな規模のものだけどね。このあたりが自然現象の予測の難しところでしょうね。
・ 引用:石橋克彦 「大地動乱の時代」P163 図5-1
静岡の周辺は、フィリピン海、太平洋、それと大陸のプレートなどが複雑に重なり合っているところです。この本は、そのプレートの動きの歪により発生する巨大地震のメカニズムがわかりやすく書かれています。
※ 今回の神奈川県西部の地震は、フィリピン海プレートと大陸のプレートの衝突しているところで発生したようで、詳しくは気象庁の「2007年10月1日02時21分ころの神奈川県西部の地震について」(PDF)に掲載されています。
大地動乱の時代 -地震学者は警告する-
石橋克彦/岩波書店(岩波新書)/1994
・ 書籍の紹介一覧 B0059
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