H5N1/岡田晴恵
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ヒトのA型インフルエンザの起源は鳥インフルエンザとされ、過去にも1918年のH1N1(スペイン風邪)、'57年のH2N2(アジア風邪)、'68年のH3N2(香港風邪)が新型インフルエンザとして発生し、猛威を振るいました。
そして今、もっとも新型インフルエンザへの変異が懸念されているのが鳥インフルエンザH5N1亜型です。2007.10.06のエントリーに書いたけれど、少しずつ人間の感染に適するように変異していて、不気味に感じます。
H5は、H7とともに高病原性鳥インフルエンザに分類され、H5N1ウイルスはニワトリなどに致命的な病原性を現します。この病原性のまま、ヒトに最適化される変異が起きたらと考えると空恐ろしくなります。
現在のH1N1、(H2N2)、H3N2のA型インフルエンザは、高熱が出て辛い病気ですが、それでも呼吸器を中心とした病気です。ところがH5N1がニワトリなどで示す病原性のまま新型インフルエンザになった場合は、呼吸器にとどまらず全身にウイルスが感染し機能不全を起すとされています。
「H5N1」は、アジアの架空の国で鳥インフルエンザが変異し病原性の高い新型インフルエンザが発生・拡散、そしてパンデミックに至る経過が書かれた近未来小説です。
筆者の岡田晴恵さんは、国立感染症研究所の研究員でインフルエンザを始めとした感染症についての本を多く記しています。この本は、以前紹介した「パンデミック・フルー」を物語仕立てにしたものです。
火種→苦悩→焦燥→憂鬱→発生→上陸→拡大→連鎖→混迷→破綻→崩壊という章立てで物語が進み、H5N1が日本社会を崩壊して行く様が描かれます。
最悪の事態として描かれているのでしょうが、現在の鳥インフルエンザの状況から出発しているので、あながち絵空事と笑えないところが恐ろしいところです。
新型インフルエンザ対策として、今の日本にプレ・パンデミック・ワクチンやタミフルの備蓄はどの程度あるのだろう?
そして、なにより篭城作戦のための食糧備蓄を1か月分くらいはしないとね。
H5N1 -強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ-
岡田晴恵/ダイヤモンド社/2007
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