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2007.09.27

食料自給率について考えた

僕の重要な社会との接点である週刊こどもニュースの9月22日の放送でで、食料自給率をとりあげていました。
自給率39%が気になって、2007.08.17のエントリー「食料自給率39%について」に書いたけれど、こどもニュースでも話題にするくらいの問題なんですね。

農林水産省は、来年度、食料安全保障課という部署を新設して、自給率向上の施策を統一的に展開するとのことです。
でも、食料自給率の向上は、生産サイドの農水省がやるだけでは効果が上がらないんじゃないだろうか?
むしろ、国民の側に自前で食料を調達できないことに対する危機感がないと、どんなに農水省が旗を振っても、安い食料を海外から買ってくればいいじゃん、てことで、農水省の努力の割には自給率向上に結びつかないかもしれません。

「食料自給率39%について」では、主要国の穀物ベースの自給率の推移のグラフを紹介しました。下の図1は、カロリーベースの各国の自給率の推移をグラフにしたものです。
農業国の米国とフランスは別として、1961年には日本よりも自給率が低かったドイツや英国は100%にはとどかないけれど、自給率を上げていて、'61年には78%あったものが2003年は40%('06年は39%)まで低下した日本とは対照的です。
ドイツにしろ英国にしろ農業が置かれている社会的、自然的環境は日本と似ていると思うんだけど、それでも戦後食料自給率を伸ばしてきた原因は何なんだろう?一度、調べてみたいと思っています。

主要国の食料自給率(カロリーベース)の推移

図2は、日本の飼料を含めた食料の供給状況を耕地面積で表したものです。農水省が面白い試算をしていたのでグラフにしてみました。
食料自給率からみて当然のことだけど、農水省の試算では72%、1,200万haの耕地を海外に依存しています。国内の2.5倍も農作物を栽培しているてことですね。
まあ、今後の日本も経済力のあるお金持ちの国ならば問題はないと思うのだけど、次の図3なんかを見るとちょっと考えさせられます。

日本の食糧の作付け面積割合

図3は、ゴールドマン・サックスが予測した2050年の主要国のGDPの予測です。ネットサーフィン中にたまたま見つけました。(資料:The BRIC's DREAM/Goldman Sachs)
ひとつの会社の予測だから何とも言えないけれど、'50年には現在GDPトップの米国を抜き中国が1位、インドが現在2位の日本を抜き3位と、物凄い経済発展をする予測です。日本も'50年には現在よりもGDPを伸ばしていますが、そもそもこれだけの世界的な経済発展を支える食料を含めた資源をが確保できるのだろうか?

主要国の2050年のGDP予測

これからの日本がどうなっていくのかわからないけれど、それでも自前の食料を少しは確保したほうがいいんじゃないだろうか。

引用文農水省 食料安保課新設へ 自給率低下で危機感
農水省は、国内生産の拡大を柱とした食料の安定的な確保に向けて、来年度に「食糧安全保障課」(仮称)を大臣官房に設置する方針を固めた。バイオ燃料向け作物への転換や中国の食糧消費量増などで、世界の食糧自給が不透明になっているため、同課を「司令塔」(同省)として、食料自給率の向上を省を挙げて取り組む体制を整える。
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新設する食料安全保障課では、世界の食料事情の情報を一元的に収集・分析し、省内の関係部署にも指示しながら施策に反映させる。これにより、これまで各部局がそれぞれ行ってきた施策を統一的に策定・運営できるようにする。また、食料問題に関する認識を国民全体で供給できるよう、情報を国民に幅広く発信する役割も担う。
2007/08/22/日本農業新聞

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