月刊プレイボーイとジャズと村上春樹
先日、新聞を読んでいて月刊プレイボーイ6月号の広告が目に留まりました。「ジャズ最強読本」と題した特集をやっているらしい。そういえば、ここ十年来、ジャズの水先案内的なものを読んでいないなと思って、普段はけして買うことはない月刊プレイボーイを購入しました。
特集全体を通しては、雑誌の性格もあるのかお洒落に着飾った雰囲気があるけれど、まあ、そうだよなといった感じです。
特集の中に、飯塚恆雄の「村上春樹とジャズと港町」というスタン・ゲッツを中心に据えた文章がありました。
村上の作品には、ジャズをはじめとした音楽が、物語とリンクする形で背景に描かれます。だから、描かれる音楽をとおして村上作品を語りたくなる、そして分析したくなる気持ちもわかるような気がします。
ゲッツと村上といえば、ゲッツの1979年の作品「チルドレン・オブ・ザ・ワールド」のライナー・ノーツを村上が書いています。'79年は、村上の初期の作品「風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」が世に出た頃でしょうか。
そのライナー・ノーツで村上は、文章を手だてとして音楽を語ることについて、「音楽を語る折に覚えるちょっとしたもどかしさ、後ろめたさ、そしてある時には胡散臭さといった感情は結局実体のない空間を手に取ろうとする時のもどかしさであり、後ろめたさでもある。」と書いています。
でもね、村上作品自体を語ることだって、「実体のない空間を手に取ろうとする」ことのように感じるのだけど。それだから、彼の作品は世界のあちこちで共感を呼んでいるのかもしれないね。
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