宮崎の鳥インフルエンザ対策 がん抱え指揮
今年の初めに宮崎県で発生した3件の高病原性鳥インフルエンザH5N1型、ウイルスの性状を考えると、防疫対策の迅速さはすばらしいと思っていました。
関連:2007.01.23 宮崎でまた鳥インフルエンザ発生?
その舞台裏には、下記に引用した話があったのですね。
適当な言葉が見つからなくて、立派としか言いようがありません。
引用の程度を超えているのかもしれませんが、毎日新聞の記事を全文引用しました。
鳥インフルエンザ:宮崎県対策監死去 がん抱え陣頭指揮
高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生した宮崎県で、転移したがんと闘いながらまん延防止対策の“陣頭指揮”に立った県庁マンがいた。当時、家畜防疫対策監だった浜口定男さんだ。3例すべての終息を見届けるように、終息宣言の1カ月後、57歳で亡くなった。県は活躍をたたえて今月20日に感謝状を贈り、遺族の労苦をねぎらった。【関谷俊介】
獣医師資格をもつ浜口さんは72年に入庁した。家畜保健衛生所など畜産畑を歩み、03年に家畜防疫の実務レベルの責任者である対策監(課長級)に就いた。
浜口さんは04年6月、白目が黄色くなっていることに気づいて診察を受け、すい臓がんが見つかった。ただちに東京の紹介病院で手術を受けたが、医師は「肝臓に転移していたら余命は6カ月」と告げた。家族の願いもむなしく、転移が見つかったのは昨年夏。秋に入院して治療を受け、その結果を聞きに上京する直前の今年1月、最初の鳥インフルエンザが清武町で発生した。
まん延を防止するには、速やかな養鶏場の消毒や鶏の殺処分などが欠かせない。浜口さんは病をおして約50人の部下を指揮した。早朝家を出て夜遅く帰宅する日々が続き、土日も出勤した。列車で通勤する体力がなくなると、妻尚子(のぶこ)さん(55)ら家族が運転する車で県庁に向かった。
「これがオレの最後の仕事になるなあ。最後まで見届けたい」。車の中で、尚子さんにそう話したという。だが、鳥インフルエンザはその後も日向市と新富町に飛び火。東国原英夫知事の会見には痛み止めの薬を飲んで同行し、専門的な質問に浜口さんが答えることもあった。
このころ、職場の同僚たちは脇腹を苦しそうに押さえる浜口さんの姿を何度か見ている。周囲を気遣い、家族にも「苦しい」と打ち明けなかったが、2月上旬には歩けなくなって宮崎で入院した。だが、病床でも鳥インフルエンザが気になり、新聞などのチェックを欠かさなかった。
終息宣言が出た3月1日、見舞いに来た上司らに「また冬が来たら心配です」と語り、畜産農家への補償が実現するかどうかが気がかりな様子だったという。それから1カ月後、新築したばかりの自宅で亡くなった。
畜産王国の宮崎。浜口さんは在職中、県内で発生した口蹄疫(こうていえき)対策などに携わった。最後は鳥インフルエンザ対策に全力を注ぎ、対応の素早さから防疫関係者の間には「宮崎モデル」という言葉も生まれた。
東国原知事は20日、尚子さんを知事室に招き入れ「我が身を顧みず、職務を全うされた」と感謝状を渡した。「生きていたら、よくやったねと声をかけてあげたい」。感謝状を受け取った後、そう語った尚子さんの目は真っ赤だった。
2007/04/25/毎日新聞
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