インターネット的/糸井重里
東京都知事候補者の政見放送をクリップした動画が、YouTubeなどに投稿され、東京都選挙管理委員会が政見放送の公平性が確保できないとして、投稿サイトの管理者に削除の要請をしていることを、4月5日の読売新聞が報じていました。
詳しいことはわからないけれど、政見放送の公平性や著作権などで、政見放送のインターネットへの投稿は微妙な問題があるのでしょう。でも、この現象は、まさに「インターネット的」な現象だと思います。
政見放送、いや、テレビ自体を最近、余り見なくなりました。定時のニュースやサッカーの試合、それと毎週見るのは麦わら海賊団の荒唐無稽な冒険アニメ「ワンピース」ぐらいです。
それと引き換えに情報はラジオとインターネット、特に常時接続するようになってからインターネットの割合が増えてきました。いっそのこと政見放送も選管がサイトで配信すればなんて思ったりします。
糸井重里の「インターネット的」は、2001年に発行された少し古い本ですが、中心を持たず価値が平坦化し、そして誰もが生産者でも消費者でもあるインターネットの世界を平易な言葉で語っています。
最後に幸福とは何かにつながっていくところなど、その後のWeb2.0の考え方によく似ています。というより、それほどITやPCに長けていない糸井の感性が、2001年の段階でインターネットの本質のひとつを捉えていたのでしょう。
僕は糸井重里について、コピーライターとして有名で、矢野顕子の作品のいくつかの詞を手がける、その程度の知識しか持っていませんでした。
「インターネット的」を読んで、糸井重里てまともで健全な発想をする人なんだと思いました。
インターネット的
糸井重里/PHP研究所(PHP新書)/2001
・ 書籍の紹介一覧 B0049
動画サイトに都知事候補の政見放送、選管が削除要請
ンターネットの複数の動画投稿サイトに、東京都知事選の立候補者の政見放送の映像が投稿されている問題で、都選挙管理委員会は5日夜、米国の動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」と、日本の投稿サイト「アメーバビジョン」を運営するサイバーエージェント(渋谷区)に映像の削除を要請した。
政見放送のネット投稿が野放しになっている中、「政権放送は公職選挙法で回数が定められており、特定の候補者の映像がいつでも視聴可能になっているのは公平性が保てない」と判断した。
投稿サイトで流されているのは、過激な発言内容で注目された一部の候補者の政見放送。都選管ではこの2サイト以外でも政見放送の投稿を確認し次第、同様の要請をする方針だ。
2007/04/05/読売新聞
・ MediaMarker
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