鳥インフルエンザウイルスはやっぱり渡り鳥が運んだ?
1月29日のエントリーにも感染経路のことを書いたのだけど、高病原性鳥インフルエンザ感染経路研究チームの第3回検討会の概要が、農林水産省のサイトにアップロードされていました。
これは、先月から宮崎県と岡山県で発生した鳥インフルエンザの感染経路に関する2月14日の検討会の概要です。
現在、得られているデーターから推察すると、鳥インフルエンザウイルスは渡り鳥により日本に持ち込まれた可能性が大きいようですね。
発生した養鶏場の周辺の野鳥の糞から、同系統のウイルスが分離されれば、その可能性は高くなると思うから、今後の環境省の調査結果を待ちましょう。それと、ウイルスがどのようにして鶏舎のニワトリにたどり着いたのか、その経路の調査結果もね。
第3回高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会(概要)
2 委員による議論の結果、以下の事項が整理された。
○次のようなことから、わが国へのウイルスの持ち込みには、渡り鳥が関与している可能性があることが想定される。しかしながら、引き続き、韓国等の発生国における情報や環境省が実施している野鳥の糞からのウイルス分離調査結果などを収集・整理し、総合的に判断していくことが重要である。
・分離されたウイルスがいずれも近縁であり、中国、モンゴル、韓国等で分離されたウイルスと同じ系統であること。
・発生農場と海外の発生地域とを結びつける他の要因が見当たらないこと。
・発生農場間でウイルスが感染するような疫学的関連が認められないこと。
・短期間に宮崎県岡山県といった広範地域で散発的に発生が見られたこと。
・発生農場の近隣で生息している野鳥の中には、いずれも渡り鳥が確認されていること。
○2~4例目の発生鶏舎における人等の出入り口は一か所のみであったが、死亡鶏は鶏舎入り口から離れた一部の場所(2例目は鶏舎中央部、3・4例目は出入り口から離れた奥側)に固まって確認されていたことから、鶏舎内へのウイルスの持ち込みは、人による持ち込みの可能性よりも、野生生物(野鳥、ネズミなど)が関与している可能性があることが想定される。発生農場はいずれも一般的な衛生管理が実施されていたようだが、次の事項における実際の実施状況や実効性について引き続き調査する必要がある。
・農場や鶏舎の出入り口における消毒対策
・野鳥、ネズミなどの鶏舎内への侵入防止対策
・飼料、給水の汚染防止対策
○野生生物の介在の可能性を明らかにする観点から、発生農場周辺の野生生物に関する調査や今回分離されたウイルスを用いて、アイガモ、マウス、ラットなどを用いた感受性(接種)試験を実施する必要がある。
2007/02/14/農林水産省 プレスリリース
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