鳥インフルエンザは渡り鳥が日本に運んできたんだろうか?
宮崎県清武町、日南市のH5N1型に続いて、岡山県高梁市の養鶏場でも鶏が死亡し、高病原性鳥インフルエンザが疑われています。
発生は点在し、その感染経路が問題になっていますが、昨年11月以降、韓国で発生したH5N1型について、韓国・天安市で渡り鳥のカモの糞から中国・青海湖タイプのウイルスが検出されたことを朝日新聞が報じています。
確かに、中国→韓国→西日本と渡り鳥とともにウイルスも日本にやって来たという考えは説得力があります。
そこで、今まで日本でも渡り鳥について調べていないのかとネットでデータを探したら、環境省のサイトの2006.12.14付けプレスリリースに「渡り鳥等における高病原性鳥インフルエンザウイルス保有状況調査について」として掲載されていました。(詳しくはこのプレスリリースにPDFファイルとして資料が添付されています。)
この資料によると、極東ロシア、東南アジア、中国大陸・朝鮮半島方面から飛来する渡り鳥について、今までは高病原性のH5及びH7型インフルエンザウイルスは見つかっていないようです。
下の表は、環境省の資料を方面別に構成しなおしたものです。
今までの調査では、中国大陸・朝鮮半島方面は長崎県対馬市だけですが、今後、鳥取県、山口県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県への渡り鳥も調べるようです。恐らく今回の発生で、宮崎県や岡山県も加えられるんじゃないかな。
そして、結果が出ればある程度、渡り鳥説についてもその確実性が判ると思います。(ますます、判らなくなる可能性もあるけどね。)
でも、仮に日本まで渡り鳥がウイルスを連れてきたとしても、そのウイルスがどうやって養鶏場の鶏に感染したかの疑問が残りますが。
「カモが犯人」説浮上 糞から鳥インフルのウイルス
宮崎県の清武町と日向市東郷町で鳥インフルエンザに感染した鶏が大量死した問題で、清武町でみつかった「H5N1型」とほぼ同じ遺伝子のウイルスが韓国で今月、渡り鳥のマガモの糞(ふん)から検出されていたことが、わかった。感染経路の解明を進める農林水産省も関心を寄せている。専門家の間では「犯人」として渡り鳥、なかでもカモ類を挙げる声が出てきた。
韓国西海岸側の天安(チョナン)市など4都市では、昨年11月からこれまでに、鳥インフルエンザが5回発生した。同国農林省によると、ウイルスの遺伝子はすべて清武町と同じ中国・青海湖タイプ。しかも、同市内で採取されたマガモの糞から、同じ青海湖タイプのウイルスが検出された。
渡り鳥の飛来ルートとしては、シベリアや中国東北部から朝鮮半島の西海岸沿いを南下し、九州にいたるコースが知られる。農水省の感染経路究明チームのメンバーでもある金井裕・日本野鳥の会主任研究員によると、マガモもこのルートで11~12月にかけて日本に飛来するとされる。
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糞の採取と飛来の時期が重なることなどから、金井主任研究員は「カモ類を感染源として有力視する見方は多い」という。
感染経路究明チームの座長を務める伊藤寿啓・鳥取大教授(獣医ウイルス学)によると、感染源には(1)野鳥が運んできた(2)人の靴などに付いて運ばれた(3)物に付いて持ち込まれた、などが考えられるという。
だが、「渡り鳥犯人説」は当初からあった。清武町のウイルスは、中国西部の青海湖で05年に確認されたものと遺伝子が近いうえ、「ウイルスは鳥の体内では増殖しても、人や物に付着した場合は弱まるはず」(伊藤教授)だからだ。
ただ、どうして養鶏場にウイルスが入り込んだのかは謎のまま残っている。鶏舎は金網と防鳥カーテンで外部から遮断されていたからだ。
2007/01/27/朝日新聞
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コメント
つれづれさん、こんにちは。
僕は、鳥インフルエンザと新型インフルエンザについて興味があって、少しばかり追っかけています。
インフルエンザの生き残りの巧みさについて、いろんな本を読めば読むほど、感心するとともに恐ろしくなります。
新型インフルエンザが出現したとき、僕はどう対処したらいいのだろう。
投稿: Kaze | 2007.01.29 20:52
感染源について、はっきりとした事がわかってくれば
被害を防ぐことができますよね。
鳥たちが次々に処分される話を聞くにつけ
早く解明して対処してほしいと願わずにはいられません。
人に伝染する新型のインフルエンザになる前に・・・。
投稿: つれづれ | 2007.01.29 17:24