風の影/カルロス・ルイス・サフォン
「風の影」という忘れられた本を手にした少年ダニエルと、本の作者フリアン・カラックスの数十年を隔てた二つの物語が、平行して語られ、そして次第にひとつの物語に収斂していく、ファンタジーです。
基本的には陰鬱としたストーリですが、ひとつの悲恋がもうひとつの恋を救うというロマンティックな最後に、ほっとします。
800ページを越える大作ですが、展開にテンポや起伏がありどんどん読み進められます。
それと、バルセロナの街が美しく描かれます。これは、訳者の日本語の使い方の上手さに負うところもあると思います。
面白い本です。
風の影(LA SOMBRA DEL VIENTO) 上・下
Carlos Ruiz Zafon/木村裕美(訳)/集英社文庫/2006
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コメント
タウムさん、はじめまして。
トラックバックをしていただいたそうですが、届いていません。ココログのトラックバック、時々、不調のことがあるので、その影響でしょうか。
「風の影」は、長編にもかかわらず、どんどん読み進める、いい本ですね。それと、風景の描き方が美しくて好きです。映画化したら面白いと思います。
投稿: Kaze | 2007.07.25 21:27
TBさせていただきました。
物語の世界にどっぷりとつかって、単純に楽しみました。
投稿: タウム | 2007.07.24 00:48