閉ざされた町/カルメンマキ&OZ
「閉ざされた町」のように、アルバム全体をとおして、ひとつの物語を語らせるという手法を、日本のロックは余り得意にしていないように思います。
これは、'70年代、ピンク・フロイド、イエスなどに代表され、プログレッシブ・ロックと称された英国のロックが、得意とした手法です。
ある種、文学的な翳りを持った物語を、ロックのリズムにのせることに、日本語は上手く馴染まないのかもしれません。
「閉ざされた町」の詞は、「火の鳥」は栗原裕子との共作になっていますが、全編、加治木剛が書き、その暗めで理屈っぽい言葉を、春日博文の曲に乗せ、カルメンマキの強力なボーカルが疾走します。
硬軟取り混ぜた楽曲の構成は、プログレッシブ・ロックというよりも、ディープ・パープルやレッド・ツェペリンなどのアルバムに近いものかもしれません。
今、このアルバムを聴き返してみると、その言葉に時代を感じてしまうのは仕方ないことかもしれませんが、歌う春日のギター、唸る川上茂幸のベースに感じる格好の良さは、あの頃のままです。
閉ざされた町
カルメンマキ&OZ/kitty/1976
01. イントロダクション
02. 崩壊の前日
03. 振り子のない時計
04. 火の鳥
05. ロスト・ラヴ
06. 閉ざされた町
07. エピローグ
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