EACH TIME/大瀧詠一
学生時代からの友人のニャンゴロさんのブログを読んでいて、大瀧詠一の「EACH TIME」に収録された「1969年のドラッグレース」の「まだガソリンは残っているのなんて 心配ばかりしてたね」という一節が頭に浮かびました。
ニャンゴロさんは、安部公房とローリング・ストーンズ、そして車が好きで、ストーンズとも車とも縁はなかったけれど、当時、大江健三郎を熱心に読んでいた僕と、どこか気が合い、それ以来の付き合いになりました。
貧乏学生だった僕らは、アルバイトで稼いだ金を出し合って、彼の苔色のカリーナ1600GTにガソリンを入れて、夜な夜な富士五湖とか御前崎とか日本平とかに走りに行っていました。
彼のブログの記事を読んで、そのことを思い出すとともに「1969年のドラッグレース」が浮かんだのです。
この曲では「君が言うほど時間が無限に 無かったことは今ではよく知っている」と唄われます。
40代も後半にさしかかると、このフレーズが現実のものとして身にしみます。
そして「だけどレースはまだ 終わりじゃないさ」という言葉に少しだけ元気付けられます。
「EACH TIME」は、大瀧の「A LONG VACATION」に続いて発表された作品です。
「A LONG VACATION」は、1980年に大瀧がはっぴいえんどの元メンバーを中心として作った作品で、彼らの音楽が大好きだった僕にとって、とても衝撃的なアルバムでした。「EACH TIME」には、それほどのインパクトはありませんが、はっぴいえんどからナイアガラに続く音楽の流れは、ここでひとつ完成したんだと思います。
また、このアルバムに収録曲された「ペパーミント・ブルー」は、僕の好きな松本 隆の詞のひとつです。
そんな訳で、久し振りにラックの中から引っ張り出して、針を落としてみました。
EACH TIME
大瀧詠一/Niagara/1984
01. 魔法の瞳
02. 夏のペーパーバック
03. 木の葉のスケッチ
04. 恋のナックルボール
05. 銀色のジェット
06. 1969年のドラッグレース
07. ガラス壜の中の船
08. ペパーミント・ブルー
09. レイクサイド ストーリー
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コメント
ニャンゴロさんのブログに懐かしくなって、この記事を書きました。
今思えば、あの頃はどうでもいいようなことに真剣になっていました。それは若いから出来たことのなのかもしれませんが、そういった引出は結構、年を重ねる毎に大切になるような気がします。
投稿: Kaze | 2006.05.15 19:42
トラックバック、ありがとう。
Kazeさんの思い出されたとおり、当時はささやかなお金を出し合って、ドライヴと称して一緒に行動しましたね。で、何かについて真剣に語り合っていました。きっと今聞いたらどうでもいいようなことなんだろうけれども・・・。
今日(昨日)はパン教室でした。その時間は僕にとって仕事以外の貴重な時間帯。で、焼きあがったパンを前におしゃべりをすると、何故か今の子供達や、少年少女についての話題に。たぶんごく一部の例が、極端に取り上げられていると思うが、僕らの学生時代は、あれはあれで幸せな過ごし方だったような気がします。
投稿: ニャンゴロ | 2006.05.14 02:05