薬はなぜ効かなくなるか/橋本 一
amazon のアソシエイトとして、コン テナ・ガーデニングは適格販売により収入を得ています。
前回、三瀬勝利の「薬が効かない」を紹介しました。今回、紹介する橋本 一の「薬はなぜ効かなくなるか」も一般向けの本ですが、「薬が効かない」よりも耐性菌が発生する仕組がもう少し詳しく書かれています。
文中に出てくる薬剤の名前や化学式などは、僕には手に負えないと思うところもあるけれど、細菌の薬剤耐性化する仕組は面白く読めました。
細菌が耐性化する方法も攻撃的な方法と守備的な方法があるところなど、人間社会と似ていると感じます。
まず、攻撃的方法として細菌を無力化する薬剤の構造を壊してしまう方法。そして、「修飾」と呼ばれる薬剤の構造に余計なものを付け加えて薬剤の効力を失わせてしまう方法が挙げられています。
守備的な方法としては、薬剤が作用し不活性化される細菌の酵素の量よりも多くの酵素を作る方法や攻撃対象の酵素の機能を維持しながら攻撃されないよう形態を変えてしまう方法。また、細胞内に薬剤が侵入されないように透過性を変化させたり、逆に入った薬剤を細胞外に排出する機能の強化などが挙げられています。
細菌も生き残るため、あの手この手を使って耐性化する方法に、やっかいなものと感じながら変な感心をしてしまいました。
それともうひとつ面白かったのは、細菌は薬剤耐性の遺伝情報を水平遺伝により伝達しているところです。簡単に言うと細菌にもメスとオスがいて接合により遺伝子の交換が行われるということ。
本書143ページには、接合の状況の顕微鏡写真が8枚掲載されています。オスが線毛でメスを捕らえる写真やメスに逃げられる写真があったりして、面白く読めました。
細菌はもっとも古い生物と考えられているけど、男女関係ってその頃からの永遠のテーマなんですね。
まあ、薬剤耐性ひとつとっても細菌はかなりしたたかなわけで、それを相手にしなければならない人間も大変です。
薬はなぜ効かなくなるか - 病原菌は進化する - 橋本 一/中公新書/2000
・ 書籍の紹介一覧 B0028
-----
amazon アソシエイト:薬はなぜ効かなくなるか/橋本 一
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 零式艦上戦闘機 二一型/デアゴスティーニ(2025.10.06)
- 写真で見る 農作物病害虫診断ガイドブック 4版/静岡県植物防疫協会(2025.03.11)
- 「SHIMIS S-PULSE 2025 OFFICIAL YEAR BOOK」が届きました(2025.03.13)
- 南海トラフ地震の真実/小沢慧一(2025.01.21)
「書籍の紹介」カテゴリの記事
- 零式艦上戦闘機 二一型/デアゴスティーニ(2025.10.06)
- 写真で見る 農作物病害虫診断ガイドブック 4版/静岡県植物防疫協会(2025.03.11)
- All About Niagara 1973-2024/大瀧詠一(2025.07.27)
- 南海トラフ地震の真実/小沢慧一(2025.01.21)
「サイエンス」カテゴリの記事
- 「ちきゅう」がレアアース泥を回収(2026.02.03)
- 今年は最も暑い夏になる?(2026.01.28)
- 「ちきゅう」がレアアース泥採鉱システム接続試験のため南鳥島EEZ海域へ出航(2026.01.16)
- 油井飛行士を乗せたクルードラゴン宇宙船が国際宇宙ステーションとドッキング(2025.08.02)
- 最後のH-IIAロケットの打ち上げ成功(2025.06.29)
「ウイルス、細菌、微生物」カテゴリの記事
- インフルエンザが再び警報レベルに(2026.02.11)
- 2025/'26シーズンのインフルエンザは収束に向かっています(2026.01.17)
- インフルエンザはピークを過ぎたのかな?(2026.01.07)
- インフルエンザは静岡県も静岡市も増加しています(2025.12.20)
- インフルエンザA/H3N2亜型のサブクレードKが流行しているそうで(2025.12.08)

コメント