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アブラゼミの声がいつの間にかツクツクボウシの声に変わり、道端に力尽きたセミの成虫が目立つようになると、もう秋はすぐそこですね。
そんなわけでもないのですが、セミをテーマにした本を読みました。
この「素数ゼミの謎」は、アメリカの東部・南部で13年とか17年周期で発生する周期ゼミが、何故長期間かけて成虫になるのか、何故極めて狭い範囲で同時にしかも大量に発生するのか、そして何故13年と17年なのか、その謎を解き明かす本です。
文章はところどころ漢字にルビをふり、石森愛彦の挿絵を加え、子供にも読める作りで、1時間もあれば読めます。
読んでみて、考えさせられました。
僕は、今まで生物は多様性を担保しながら生き残ってきたのだと漠然と考えていました。多様性を失った種はいい時は隆盛を極めるけれど、ひとたび環境が変化すると変化に適応できず絶滅の一途をたどるのだと、そんなふうに思っていました。
ところが、この本を読んで、氷河期のような昆虫にとって余りにも厳しい環境下で、多様性が排除されることにより、生き残ってきた種もあるんだと思い直しました。
この本に書かれている内容も仮説のひとつでしょうが、話としてとても面白く読むことができました。
それにしても数理生態学なんていう研究分野があるんですね。
素数ゼミの謎
吉村 仁 (Yoshimura Jin)・著 石森愛彦(Ishimori Yoshihiko)・絵
文芸春秋/2005
・ 書籍の紹介一覧 B0023
関連エントリー:米国で13年ゼミと17年ゼミが221年ぶりに同時に発生する 2024.04.16
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