沈黙/村上春樹
僕が村上春樹の「沈黙」をはじめて読んだのは、1996年に出版された短編集「レキシントンの幽霊」の一編としてでした。
たまたま最近、Amazon.co.jpで、全国学校図書協議会から集団読書テキストとして「沈黙」が出版されているのを見つけて、興味を引かれ、読み返してみました。
この短編は、心の深くに淀みのような読後感が残ります。
自分は安全なところにいて、受入れやすい情報を無批判に受け入れ、そして他人を傷つけていないかと。
集団読書テキストとあるように学校の授業のテキストに「沈黙」が使われているとしたら、その授業でどんなことが語られるのだろう。
沈黙
村上春樹/全国学校図書館協議会/1993
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コメント
質問さん、コメントありがとうございます。
大沢がボクシングに見出した深みとは何なんでしょうね? その答はきっと「沈黙」を読んだそれぞれの人が感じるものなんだと思います。
僕はボクシングについて何も知らないのでなんとも言えないのですが、ただ、当事者として痛みを感ずることができることなのかな。
自分は安全な場所に置いて、他人を批判し傷つける。そんな態度への痛烈な批判(僕も批判の対象の例外ではない)をこの物語に感じます。
参考にならなくてごめんなさい。
投稿: Kaze | 2010.02.16 21:03
大沢がボクシングに見出した深みとは、いったい何のことでしょうか?どうしても引っかかって・・・。
投稿: 質問 | 2010.02.16 18:44
嫌いな言葉さん、こんにちは。
「キモい」て言葉、いい響きではないと僕は感じます。「気持ちが悪い」でいいように思うけれど。
投稿: Kaze | 2008.06.21 06:03
「キモい」という言葉、私も嫌いです! ネット上でこの言葉が平気で使われ氾濫しているが、この言葉を平気で使う人は「私は無礼者だよ」といっているようなものです!
投稿: 嫌いな言葉 | 2008.06.19 21:54
大学生さん、はじめまして。
僕は、「沈黙」で村上が大沢さんに語らせる物語を、自分への警告として読みました。
僕が大学生だった頃は、もう30年近くも前の話なんで、当時、どんな言葉を話していたかほとんど覚えていないのですが、今の自分がそうであるように、きっと大人達はその言葉達に眉をひそめていたのではないかなと思います。
難しいですね。綺麗な言葉を話すのって。
投稿: Kaze | 2007.05.22 22:17
わたしは、この小説を、まさに人が信じられない時期に読みました。無意識に、決定的に誰かを傷つけていることに気付かない、可哀相な連中・・・。わたしは絶対にそんなことはしません。誰かを傷つける言葉や態度はとりません。それが当たり前のことでしょう。日本語は乱れています。省略して意味のわからない言葉を作り、それが流行る時代・・・確かに、日本人は集団行動性をもっていて、それがかなり根強いなと感じました。大嫌いな言葉は「キモい」です。この言葉を、人やモノ、あらゆる物事に対して使っている人は、村上春樹の言う、上のような連中なのでしょう。そんな人は、絶対に本当の幸せなど見つけられないでしょう。
投稿: 大学生 | 2007.05.21 17:50
トラックバック、ありがとうございました。
この作品、妙にリアルなんですよね。
あんなに露骨に嫌な人はいないけど、それに近い人なら
結構多いのかもしれませんね。
学校では、どう読まれてるのでしょうか?
興味ありますね。
投稿: 金の猿(金さる) | 2005.06.07 20:11