1973年のピンボール/村上春樹
村上春樹は僕がその作品を継続して読んでいる作家のひとりです。でも「アフターダーク」にしても「海辺のカフカ」、最新の「地球のはぐれ方」にしても、最近の作品は購入はするけれど何故か気分がのらず、まだ読んでいません。ちょっと不思議です。
僕が村上の作品に初めて接したのは、「群像」に書き下ろされていた「1973年のピンボール」でした。大江健三郎のエッセイが読みたくて買った「群像」に掲載されていて、偶然読んだのが最初です。
確か冬だったと思います。午後から読み始めて、夕方読み終える頃には辺りはすっかり暗くなっていました。読後の浮遊した感じを今でも憶えています。センチメンタルな閉塞感と不思議な共生感は、今まで味わったことのないものでした。
それからです。村上の作品が発表されるたびに読むようになったのは。
1973年のピンボール
村上春樹/講談社/1980
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コメント
「群像」で読んだというのはすごいですね。私は友人に勧められて読んだ「風の歌を聴け」が最初です。そのあと「1973年のピンボール」を単行本で読んで,本格的にはまり,今日にいたっています。「センチメンタルな閉塞感と不思議な共生感」というのは,いかにも村上春樹の小説にぴったりのフレーズですね。
投稿: NJ | 2005.04.01 07:04