カテゴリー「ウイルス、細菌、微生物」の185件の記事

2009.11.16

パンデミックH1N1 2009 ワクチンの予約に行列ができたそうだ

静岡でも今日から外来の基礎疾患のある人や1歳児から小学3年生までの小児、妊婦に対するパンデミックH1N1 2009 ワクチン(新型インフルエンザ)の接種の予約が始まったそうです。
でも、供給されるワクチンの量が少なくて、なかなか予約ができないみたいです。

最初は基礎疾患のある人や妊娠している人の優先順位が高かったんだけど、それに小児が加わったから予約が殺到したのかな?

確かにこれまでにパンデミックH1N1 2009 により亡くなった方の年齢階層をみると、0歳から9歳と70歳以上の人の亡くなる割合が、人口の割合に比べて高くなっています。
そんなことを思えば、子どもを持った親はワクチンの接種を希望する気持ちも理解できますが。

パンデミックH1N1 2009 を中心としたインフルエンザの推定死亡率

ただ、今はパンデミックH1N1 2009 が流行しているインフルエンザの主流だけれど、これから流行する季節性インフルエンザ(Aソ連型、A香港型、B型)の動向にも注意が必要だと思います。
季節性インフルエンザだって、毎年1000人くらいの人の命を奪っているし、あなどれないから。
季節性のインフルエンザのワクチンも不足していて、僕は今年の季節性のワクチンの接種はあきらめました。

インフルエンザ亜型別分離割合

ワクチンを接種しても完全に感染を防げるわけではないし、今のところのパンデミックH1N1 2009 の致死率は低めだから、人ごみを避けたり、小まめにしっかりと手洗いをして感染の予防をすることと、感染したら早い段階で医者を受診して適切な治療をしてもらえば、健康な人ならほとんどは大事に至らないんだろうけど。

インフルエンザの推定患者数と推定致死率 2009年第29週~第45週(2009.07.06~11.08)

関連エントリー:今流行しているインフルエンザの致死率って0.0008%? (2009.11.12)

引用文ワクチン予約に行列 新型インフル受け付け開始
小児(1歳児から小学3年生)と外来の持病(基礎疾患)がある人、妊婦を対象にした新型インフルエンザワクチン接種の予約が16日、県内の各医療機関で始まった。24日から順次、接種を始める。ただ、ワクチン量が限られているため、健康な小児への接種の予約を受け付けた医療機関はごく一部とみられ、子供を持つ親からは「せめて予約だけでもできないか」と訴える声が上がった。
予約受付、接種を実施する医療機関は、県のホームページで公表された約2千施設。静岡市葵区の小児科医院では、診療開始前から電話がひっきりなしに鳴り続けた。受付前には、診察を待つ患者に予約希望者が加わって約20人の列ができた。
同医院は270人分のワクチンを希望したが、配分されたのは116人分。医師から「(健康な子供への)接種時期は12月中旬以降」と説明を受けた希望者は、予約を受け付けてもらえずに残念そうな表情で帰宅した。
ワクチンは来年2月末にかけて月2回ずつ配分される予定。県は「県や市町からの情報に注意して、冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。
2009/11/16/静岡新聞

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2009.11.12

インフルエンザ パンデミック/河岡義裕,堀本研子

インフルエンザ パンデミックの表紙は、細胞に感染したパンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)ウイルスの写真です。
ただ、この本を読み進めるまで、これがインフルエンザウイルスの写真だとは気がつきませんでした。
僕が目にするインフルエンザウイルスの写真や模式図は球形をしているので、紐状に絡み合って細胞に取り付くなんて思ってもいませんでした。
この本によると、実験室で何度も継代させたウイルスは球状になることが多いんだけど、患者から分離したばかりのウイルスは紐状なんだそうです。
細胞の表面にカビのように絡み合ってへばりついている姿は、なんともすごい光景です。

「インフルエンザ パンデミック」は東京大学医科学研究所の河岡義裕の監修のもと部下の堀本研子が執筆したもので、インフルエンザの基礎的なことから最新の研究の状況まで素人の僕が読んでもわかるように書かれています。

河岡さんの一般向け本は、以前このブログでも紹介した「インフルエンザ危機」(2005年)以降出ていないんじゃないかな。
もっとも、第一線の研究者は研究に忙しくて一般向けの本など書いている暇はないののでしょうね。

「インフルエンザ パンデミック」は、面白かったです。現在、感染を拡大しているパンデミックH1N1 2009 について、そういうことだったのかと思う箇所が随所にありました。

例えば、今回のパンデミックウイルスに対する免疫が、スペインインフルエンザH1N1に感染した人にあるそうですが、季節性インフルエンザ Aソ連型H1N1に感染した人にはないことがあります。スペインインフルエンザ流れを組むウイルスが長い時間をかけブタの中で変異を繰り返し、再び人間に感染するウイルスになったなんてミステリーですね。

それと、パンデミックH1N1 2009 の病原性は低いと安心してはいけないということ。このことは、「パンデミックH1N1 2009 と季節性インフルエンザの病原性」(2009.11.03)のエントリーで触れましたので、そちらを参照してください。

パンデミックH1N1 2009 はまだわからないことが多いようだけれど、現時点でわかっていることを知るうえではいい一冊だと思いました。

本インフルエンザ パンデミック - 新型ウイルスの謎に迫る
河岡義裕 (Kawaoka Yoshihiro) ,堀本研子 (Horimoto Kiyoko)/講談社(ブルーバックス)/2009

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インフルエンザ パンデミック
堀本 研子, 河岡 義裕
講談社 ( 2009-09-18 )
ISBN: 9784062576475
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

※ 「おすすめ度」は、Amazon.co.jpのカスタマーレビューにおけるおすすめ度です。

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今流行しているインフルエンザの致死率って0.0008%?

パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)が流行し始めた夏以降、昨日までに57人の方がインフルエンザ(疑い事例を含む)で亡くなられています。その都度、厚生労働省からプレスリリースがあり、マスコミでもそのことを報道しています。

こんなことって、毎年流行の度合いは違うけれど、季節性インフルエンザでもあったんだろうか?
多くの人が免疫を持っていないパンデミックウイルスだから、逐一、プレスリリースしたり報道したりするんだろうか?

以前からこのブログで何度も書いてきましたが、僕が知りたいのは、今回のウイルスの病原性の強さです。毎年、季節性インフルエンザで多くの方が亡くなられているので、今回のウイルスと違いを知りたいなぁ。具体的には、季節性インフルエンザの致死率や死亡率と比べてどうか知りたいと思っています。

厚生労働省のプレスリリースでは、パンデミックH1N1 2009 の国内の流行が目立ち始めた2009年第29週から第44週(2009年7月6日~11月1日)の推計患者数は585万人です。一方、この期間に疑い事例を含めたインフルエンザで亡くなられた方は47人となっています。また、現在、発生しているインフルエンザの98%は、パンデミックH1N1 2009 ウイルスとされているから、亡くなられた方は、直接の死因の疑い事例もありますが、ほぼこのパンデミックウイルスにが関係しているものと思います。

単純に同じ期間の死者数を推計患者数で除した致死率は、0.0008%になります。
この割合って多いのだろうか、少ないのだろうか?

インフルエンザの推定患者数と推定致死率 2009年第29週~第44週(2009.07.06~11.01)

季節性インフルエンザの2003年から2008年の死亡率は、0.2人/10万人から1.4人/10万人と年によってかなり変動がありますが、単純平均をすると0.7人/10万人になります。

→日本のインフルエンザの年次別死亡数及び率(人口10万対)

今回のパンデミックH1N1 2009 では、2009年8月14日に沖縄の男性の方が亡くなられてから、これまで(11月10日)までの89日間で57人の方が亡くなられています。これから1年当たりの死亡者数を推定すると234人になります。

人口動態調査の2008年の日本の人口は12,595万人ですので、1年当たりの推定の死亡者数234人から、パンデミックH1N1 2009 の推定死亡率は0.2人/10万人となり、季節性インフルエンザの死亡率0.7人/10万人よりも低くなります。

パンデミックH1N1 2009 を中心としたインフルエンザの推定死亡率

これは、「インフルエンザ パンデミック」/河岡義裕,堀本研子の中で書かれているように、パンデミックH1N1 2009 の病原性が低いためではなく、日本人の新型インフルエンザへの関心の高さと適切な医療の対応のためだろうか。

まあ、1シーズン経てばある程度のことがわかるのだろうけど。

関連エントリー:パンデミックH1N1 2009 と季節性インフルエンザの病原性 (2009.11.03)

引用文インフルエンザ流行レベルマップ
<コメント>
2009年第44週のインフルエンザの定点当たり報告数は33.28(患者報告数159,651)となり、前週の値(定点当たり報告数24.62)よりも大きく増加した。定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約154万人となり、第28週以降これまでの累積の推計患者数は585万人(95%信頼区間:570.79万人~599.21万人)である。
2009/11/06/厚生労働省プレスリリース

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2009.11.05

塩野義が開発中のインフルエンザ治療薬が製造販売の承認申請

塩野義製薬は、開発中のインフルエンザ治療薬「ペラミビル」の成人向け製造販売の承認申請を厚生労働省に対して行ったと、時事通信が報じていました。

「ペラミビル」はタミフルやリレンザと同じインフルエンザウイルスが感染細胞から脱出することを阻害するのノイラミニダーゼ阻害剤ですが、点滴で投与するようで、経口するタミフル、吸入するリレンザと処方の方法が異なっています。点滴の1回の投与で効果があるとのことで、飲むことも吸うこともできない意識の無い患者には有効かもしれませんね。

また、第一三共の開発しているノイラミニダーゼ阻害剤も年内の承認申請を目指しているとのことです。

Aソ連型(H1N1)インフルエンザはタミフル耐性のウイルスが出てきているし、パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)にも少ないもののタミフル耐性のウイルスが確認されています。
薬剤に対する耐性菌や耐性ウイルスの出現は避けられないと思うので、効果のある薬剤の種類が増えて選択肢が広がることはいいことです。

関連エントリー
タミフル服用歴のない人にタミフル耐性のパンデミックH1N1 2009 ウイルスが確認された (2009.10.09)
タミフル耐性インフルエンザウイルスに関する厚生労働省の中間報告 (2009.01.21)
第一三共のインフルエンザ治療の臨床試験 (2008.11.19)

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それと同じ時事通信が、米国でパンデミックH1N1 2009 が飼い猫に感染した報じていました。
ヒトのインフルエンザウイルスもネコへ感染は、どういった意味を持つのだろう。ブタでは、ヒトのインフルエンザウイルスがブタの中で変異して、もう一度、ヒトに感染するといたことがあるけれど、ネコにもあるのかな。


引用文インフル新薬を承認申請=来年にも初の国産、効果はタミフル同等-塩野義
塩野義製薬は4日、開発中のインフルエンザ治療薬「ペラミビル」について厚生労働省に成人向け製造販売の承認申請を行ったと発表した。ペラミビルは季節性インフルエンザと同様、新型インフルエンザに対してもタミフルとほぼ同等の効果が見込める。国の審査を経て、来年にも初の国産インフルエンザ治療薬が誕生する見通しだ。
同社は年間300万人分の生産を目指す。小児向けも現在続けている適応試験の結果を踏まえ、年内にも申請する。
ペラミビルは点滴薬。タミフル(経口薬)やリレンザ(吸入薬)の処方が困難な重症入院患者らに向いており、治療の選択肢を広げることが可能になる。静脈注射で投与するため胃腸への影響が少なく、回数も1度で済むのが特長。
ペラミビルはタミフル、リレンザに続く第3のインフルエンザ治療薬となる。インフルエンザ薬をめぐっては第一三共も開発中の治療薬について年内の承認申請を目指している。
2009/11/04/時事通信

引用文猫の新型インフル感染初確認=米
米獣医師会は4日、アイオワ州で新型インフルエンザに感染した猫が見つかったと発表した。猫の新型インフルエンザ感染が確認されたのは初めて。
この猫は13歳の飼い猫で、飼い主の家族3人のうち2人が新型インフルエンザに感染していた可能性があるという。
2009/11/05/時事通信

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2009.11.03

パンデミックH1N1 2009 と季節性インフルエンザの病原性

パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)の病原性はどの程度なのだろうと、僕は発生当初から知りたいと思っていました。
致死率が60%にもなる鳥インフルエンザH5N1の病原性とは比べようもないのだろうけど、毎年流行する季節性インフルエンザ、特に同じH1N1亜型であるAソ連型の病原性と比較するとどうなのだろうと。

発生の当初、パンデミックH1N1 2009 の致死率は0.4%で、スペインインフルエンザ(A/H1N1)の2%より低く、アジアインフルエンザ(A/H2N2)に匹敵するとの、WHOの研究チームの推定が報道されました。季節性インフルエンザの致死率が0.1%前後といわれているので、今回のパンデミックウイルスは病原性が高いなぁと感じていました。

関連エントリー:今回のインフルエンザA/H1N1の致死率は0.4%とWHO研究チームは推定している (2009.05.13)

その後、日本でも夏頃からパンデミックH1N1 2009 の感染が拡大し、国立感染症研究所は2009年7月6日以降、10月11日までの累計のインフルエンザ患者数を234万人と推計しています。

一方で、感染拡大が先行した南半球ではアジアインフルエンザより致死率が低いとかイタリアでは季節性インフルエンザに比べて攻撃力?が低いといった報道があったりします。

関連エントリー:南半球ではパンデミックH1N1 2009 の死亡率は低い? (2009.10.24)

国内の感染状況を見ても例年発生している季節性インフルエンザと今年の夏以降発生したインフルエンザ(その98%がパンデミックH1N1 2009 とされている。)の患者の報告数と死亡者の割合をみると、パンデミックH1N1 2009 のほうが一桁低いように見えます。

国内のインフルエンザ感染状況

関連エントリー:冬になってAソ連型とパンデミックH1N1 2009 の関係がどうなるのだろう (2009.10.29)

パンデミックH1N1 2009 の病原性がそれほど強くないのか? 感染者へのタミフルやリレンザの早めの投与が重症化を抑えているのか?

そんなことを思いながら読んだ、ブールーバックスの「インフルエンザ パンデミック」/河岡義裕,堀本研子にパンデミックH1N1 2009 の病原性に関する動物実験に基づく研究結果が載っていました。

ひとつは、若いマウスに季節性インフルエンザウイルスとパンデミックH1N1 2009 ウイルスを濃度を変えて感染させた結果、季節性に感染させたマウスの体重は増加したが、パンデミックウイルスに感染させたマウスは体重が減少し、100万個感染させたマウスは死んでしまったというもの。

もうひとつは、感染させたカニクイザルの肺の病変が、季節性ウイルスの場合は肺胞の空洞部が確保されるのに対し、パンデミックウイルスは肺の内部で激しい炎症が起き肺胞の空洞部分に空気が通らなくなってしまうというものです。

これらの結果などから、「インフルエンザ パンデミック」では、

アメリカやメキシコで報告された新型インフルエンザの死亡例では、肺でウイルス増殖が進み、これが命取りになったケースが多い。通常の季節性インフルエンザウイルスであれば、ウイルス性肺炎になることは滅多になく、むしろ細菌などによる二次感染が原因で重篤な症状に陥ることが多い。このように新型インフルエンザは、毎年流行を繰り返している季節性インフルエンザウイルスとは明らかに異なる性質を持っている。
幸いにして、日本では、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬による治療が広く普及しており、国民の意識も高い。これまで重症化する患者が少なかったのは、患者が感染初期に医療機関を訪れて、適切な治療を受けてきたからだ。
インフルエンザ パンデミック/河岡義裕,堀本研子 211ページ

と記し、新型インフルエンザ(パンデミックH1N1 2009)は、季節性インフルエンザと病原性は変わらないと言うのは誤りだと指摘します。

(「インフルエンザ パンデミック」は、その他にも興味深い記載が満載で面白い本なので、後日、改めて紹介します。)

パンデミックH1N1 2009 の病原性をあなどっちゃいけないというところかな。

引用文新型の攻撃性は10分の1? イタリア保健当局、季節性と比べ
イタリアのファツィオ福祉・保健・労働副大臣は30日の記者会見で、新型インフルエンザについて「季節性インフルエンザと比べ攻撃性は10分の1程度だ」と強調、パニックにならないよう国民に呼び掛けた。国営イタリア放送などが伝えた。
副大臣は「現在までの新型インフルエンザの推定患者40万人のうち、11人しか死亡していない」と述べ、致死率は極めて低いとしたが、患者数を40万人とした根拠には触れなかった。同国の10月中旬時点での患者数は1万5455人。
新型インフルエンザの致死率については、季節性インフルエンザよりも高く、1957年に流行が始まり世界で約200万人が死亡した「アジア風邪」並みの0.5%程度との研究報告がある。
イタリアでは最近、感染者数が急増、南部ナポリで医師らの死亡が相次ぐなど、国民の間で不安が高まっている。
2009/10/30/共同通信

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インフルエンザ パンデミック
堀本 研子, 河岡 義裕
講談社 ( 2009-09-18 )
ISBN: 9784062576475
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

※ 「おすすめ度」は、Amazon.co.jpのカスタマーレビューにおけるおすすめ度です。

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追記:2009.11.12

カテゴリー「書籍の紹介」に「インフルエンザ パンデミック」/河岡義裕,堀本研子を加えました。

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2009.10.31

パンデミックH1N1 2009 ワクチンの副反応

パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)ワクチンの副反応の状況について、厚生労働省がプレスリリースしていました。

医療関係者に10月19日から接種が始まったパンデミックH1N1 2009 ワクチンの接種後の副反応は、10月29日までの報告では、22,112例中 24例(重篤 5例、非重篤19例)で、割合にすると0.11%(0.02%、0.09%)になっています。この中にはワクチンと副反応との因果関係が不明なものや調査中のものが含まれています。

パンデミックH1N1 2009 ワクチンの副反応の状況

参照:新型インフルエンザワクチン接種後の副反応の報告状況について (2009.10.23 PDF 636KB)(2009.10.30 PDF 260KB)/厚生労働省

また、自発報告とワクチンを医療機関に納入した数量から推定した副反応の割合は、10月19日から23日接種分の10月26日の時点で0.009%(うち重篤例0.0007%)となっています。
2008年度の重篤な副反応の割合は0.0003%(平成20年度の季節性ワクチン重篤副作用報告)とのことだから、季節性インフルエンザワクチンに比べて副反応の割合は高いということです。

参照:新型インフルエンザワクチンの医療機関納入数量及び接種後副反応報告について (2009.10.28)/厚生労働省 (PDF 496KB)

サンプリングの方法によって副反応の割合が違っているけれど、ワクチン接種による重篤な副反応は、0.002%や0.0007%。多いのか少ないのか。結局はワクチンを打たないことによるリスクとの比較になるのでしょうね。

それと、パンデミックH1N1 2009 ワクチンが医療関係者の接種希望が多くて足りないとNHKが報じていました。
これもワクチンを本当に必要としている人が接種できるような仕組が必要だよね。

また、季節性インフルエンザのワクチンも不足しているみたいで、静岡では接種を希望しても予約がいっぱいで断られることが多いです。僕は毎年、季節性インフルエンザワクチンを接種しているのだけど、今シーズはあきらめました。季節性インフルエンザだって感染すれば重篤な状態になることもあるわけで、基礎疾患のある人や受験生など接種を必要としている人が接種できなくなると困るものね。
それにワクチンは感染した時の病状を緩和するのが主な効果だし。

現時点ではそれほど病原性の高くない今回のインフルエンザや季節性インフルエンザでこういった状態だと、病原性の高い新型インフルエンザがパンデミックした時の混乱が怖いです。

引用文新型インフルエンザワクチンの医療機関納入数量及び接種後副反応報告について
【報告のポイント】
① 接種開始第1週(10月19日~10月23日)の医療機関納入数量は85万人分であり、推定接種者は最大85万人と考えられる(国立病院機構の安全性調査を除く)。
② 接種開始第1週(10月19日~10月23日)に接種を受けた者における、現時点までの報告に基づく副反応報告頻度は、推定接種者数の0.009%、うち重篤症例は0.0007%と計算された。副反応の報告内容は前回公表時と同様であり、変化はない。
③ 接種医療機関の協力をいただき、積極的に報告いただいていることから、重篤症例の報告頻度は例年の季節性インフルエンザワクチンよりも高いものと考えられる。
【注意点】副反応は時間が経ってから報告される事例があることや、実際の接種者数は医療機関納入数量に基づく推定接種者数を下回ること等から、現時点での頻度は暫定的な数字にならざるを得ず、時間とともに変化することに留意が必要である。医療機関での正確な接種者数は1月単位で集計し、それに基づく副反応報告頻度を公表する予定。
2009/10/28/厚生労働省 新型インフルエンザ対策推進本部事務局

引用文医師ら接種希望 大幅に上回る
新型インフルエンザワクチンの優先接種を希望する医療従事者は、予定を大幅に上回る250万人に上っていることが、NHKが行った調査でわかりました。厚生労働省は、妊婦などへの接種が遅れることがないよう、自治体に対し、必要に応じて接種する医療従事者を絞るよう求めています。
新型インフルエンザワクチンは、あらかじめ定めた優先順位に従って接種が進められる予定で、10月19日から医療従事者への接種が始まっています。厚生労働省は、医療従事者への接種については、原則、新型インフルエンザの患者の診療に直接あたる医師や看護師など、100万人を対象としていました。ところが、NHKが47の都道府県に調査したところ、接種を希望する医療従事者は、ほとんどの自治体で予定を上回り、全国でおよそ250万人に上ることがわかりました。このうち神奈川県では、およそ6万人に接種を予定していましたが、新型インフルエンザの診療に直接かかわらない薬剤師や事務職員などを含め、希望者は16万人に上っています。神奈川県では、病床数に応じて医療機関にワクチンを配布し、誰に接種するかの判断は任せることにしましたが、調整に手間取り、医療従事者以降の具体的なスケジュールは、まだ決まっていません。また、ほかの自治体でも、接種を▽医師と看護師に限定したり、▽内科や小児科などの診療科を優先したりするなど、希望者の調整に追われているということです。厚生労働省感染症情報管理室の中嶋建介室長は「重症化の防止という接種の趣旨に沿って必要な人に早くワクチンが届くよう、自治体には、医療従事者についても、きちんと接種対象者を絞ってほしい」と話しています。
2009/10/31/NHK

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2009.10.29

冬になってAソ連型とパンデミックH1N1 2009 の関係がどうなるのだろう

毎年、冬になると程度の差はあるけれど流行して1000人くらいの命をを奪うインフルエンザですが、今年はパンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)が夏頃から流行り始め感染を拡大しています。

インフルエンザの週別定点当たり報告数の推移 厚生労働省/国立感染症研究所 2008年第1週~2009年第41週

季節性インフルエンザは、Aソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、それとB型の3種類があります。
国立感染症研究所によると2008/2009シーズンは、Aソ連型が半分、残りの半分がA香港型とB型が半々といった感じです。

今年は季節性インフルエンザの流行期には、まだ早いけれど、感染症週報によると2009年第28週以降(7月6日以降)第41週まで(10月11日まで)の累計のインフルエンザ患者数は、234万人だそうです。
そして、そのほとんどがパンデミックH1N1 2009 ということです。

インフルエンザ亜型別分離割合

インフルエンザ亜型別分離割合 2008年第36週~2009年第20週 厚生労働省/国立感染症研究所
イインフルエンザ亜型別分離割合 2009年第28週~第41週 厚生労働省/国立感染症研究所

前から気になっていたことですが、これから季節性インフルエンザの流行期に入った時、パンデミックH1N1 2009 と季節性インフルエンザとの関係、特に同じ亜型のAソ連型との関係はどうなるのだろう?

引用文注目すべき感染症 ◆インフルエンザ
定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約64万人であり、第28週以降これまでの累積の推計患者数は約234万人(95%信頼区間:223.75万人~244.25万人)となった。
感染症発生動向調査 感染症週報 2009年第41週(10月5日~10月11日) 6ページ/厚生労働省/国立感染症研究所

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2009.10.27

パンデミックH1N1 2009 に大人は基礎免疫?

パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)に対し、多くの成人は基礎免疫を持っていて、感染しても大半の成人は軽症に終わるという発表が日本ウイルス学会学術集会であったそうです。時事通信が報じていました。

これまでも、同じ亜型のスペインインフルエンザの免疫がパンデミックH1N1 2009 ウイルスにも有効だといった話がありました。

今回の発表は、季節性インフルエンザのAソ連型H1N1の免疫がある程度有効ではないかというものです。

パンデミックH1N1 2009 の正体が少しずつわかってきましたね。

多くの成人に基礎免疫があるとすれば、今回のウイルスがパンデミックウイルスではあるけれど、「新型」といえるかどうか議論されるのかなぁ。

・ 関連エントリー:スペインインフルエンザの免疫がパンデミック H1N1 2009 にも有効? (2009.09.26)

引用文新型インフル「大人は基礎免疫」=多くは軽症の可能性-ウイルス学会
東京都内で26日開かれた日本ウイルス学会学術集会で、新型インフルエンザに対し、成人の多くが基礎的な免疫を持っている可能性が高いことが報告された。季節性のソ連型インフルエンザへの感染歴によるもので、新型への感染を防ぐのは難しいものの、大半の人は軽症で済むとみられるという。
国立病院機構が成人約200人を対象に9月に始めた臨床試験で、ワクチンを1回接種すれば、免疫の基となる抗体の値が十分上昇することが分かっている。
集会で庵原俊昭国立病院機構三重病院院長は「多くの人に基礎的な免疫があるということ。発症を予防するレベルではないが、1回のワクチン接種で十分な効果を得ることができる」と発表した。基礎免疫がない全く新しいウイルスであれば、2回接種しなければ抗体価は上昇しないという。
2009/10/20/時事通信


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2009.10.24

南半球ではパンデミックH1N1 2009 の死亡率は低い?

北半球より先行してパンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)の感染が拡大した南半球のオーストラリア、南アフリカ、ブラジル、ペルーなど国の死亡率は10万人当たり1人以下のケースが多いとのオーストラリアなどの研究者の報告を朝日新聞が報じていました。

日本の季節性インフルエンザの死亡率は年よってバラツキがあって、2003年~2008年では10万人当たり0.2人から1.4人です。
日本の状況がこれからどうなるかわからないけれど、パンデミックH1N1 2009 も季節性インフルエンザと似たような病原性なのかな?

日本のインフルエンザの年次別死亡数及び率(人口10万対)

参考資料:人口動態調査/厚生労働省

引用文新型インフル、南半球は死亡率「低め」 豪などで分析
インフルエンザ流行シーズンの冬が日本より先に来た南半球では、新型インフルエンザ流行時の死亡率が低めだったとの分析が、22日付の欧州の専門誌ユーロサーベイランス電子版に発表された。
豪州などの研究者が、豪州、南アフリカ、ブラジル、ペルーなどのデータを分析。人口10万人あたりの死亡率は多くの国で1人以下と報告されていた。新型インフル患者の致死率は、「アジアかぜ」として1957~58年に初めて流行したH2H2型インフルの約0.5%に匹敵すると考えられていたが、それほどでない可能性もある。
豪州ニューサウスウェールズ州でのインフルエンザや肺炎による死者数は、新型が流行した今年は季節性だけだった近年に比べて少なかった。
アボリジニーなど先住民や妊婦、持病がある人の重症化リスクは通常の人より高かった。南半球の各国では4月から7月にかけて新型ウイルスが最初に確認され、患者数はすぐに季節性インフルより多くなった。
2009/10/24/朝日新聞

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2009.10.23

インフルエンザに罹ったら人にうつさないのが一番の拡大防止方法だよね

今朝、電車の隣に座った中年男性がゴホゴホと咳をしていました。その男性は一応、マスクはしているんだけれど、鼻と頬の間には隙間があって、インフルエンザだったらウイルスは簡単に周囲に飛び出すんだろうし、隣の僕もウイルスに感染するんだろうと思いました。

全国的にインフルエンザが感染を拡大しています。

インフルエンザの週別定点当たり報告数の推移 厚生労働省/国立感染症研究所

感染の拡大を防ぐための一番の方法は、感染したらウイルスを広めないために人との接触を避けることでしょう。
不急不要の外出は避けるのがいいとは思っていても、体が動けば仕事に行ってしまうことは、止めようもないのかもしれませんね。

引用文インフル受診増加、1週間83万人に…未成年8割
国立感染症研究所は23日、全国約5000医療機関を対象にした定点調査で、10月12~18日の1週間に新たに医療機関を受診したインフルエンザ患者数が、1医療機関あたり17.65人に上ったと発表した。
前週(5~11日)の12.92人から1.36倍で、全国の新規患者数は推計で前週の約64万人から約83万人に増えた。いずれも新型インフルエンザとみられ、感染が広がり始めた7月上旬からの累計患者数は約317万人となった。
年代別で見ると、8割以上が未成年。0~4歳が7万人、5~9歳が約21万人、10~14歳が約28万人、15~19歳が約12万人で、小中学生の患者が目立っている。
また、1医療機関あたりの患者数を都道府県別で見ると、北海道が2週連続で警報レベルの30人を超える57.93人、次いで愛知が31.78人で警報レベルを初めて超えた。20人以上は9都道府県で、大都市圏での流行が目立つが、鳥取を除くすべての都道府県で前週よりも患者数が増えている。
2009/10/13/読売新聞

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