カテゴリー「環境」の36件の記事

2017.03.31

気象庁の「地球温暖化予測情報第9巻」によると、今世紀末には20世紀末より全国平均で、気温が4.5℃上昇し滝のように降る雨の頻度が2倍以上に増加する

先日、気象庁から数年に1回公表される「地球温暖化予測情報」の第9巻が公表されました。

「地球温暖化予測情報」は、20世紀末(1980~1999年)と比較し21世紀末(2076~2095年)に、気温や降水・降雪がどのように変動するかを予測するものです。
気候変化の予測は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の4つのRCPシナリオのうち、最も温室効果ガスの排出が多いシナリオ(RCP8.5
シナリオ:現時点を超える政策的な緩和策を行わないことを想定)に基づいていて行われています。

予測によると、気温は全国平均で4.5℃上昇し、猛暑日(日最高気温35℃以上)は地域によって6~54日増加、併せて真夏日、夏日、熱帯夜日数も増加し冬日、真冬日は減少するとのことです。

一方、年間の降水量は明瞭な増加傾向はみられないものの、滝のように降る雨(1時間降水量50mm以上)の頻度が全国平均では2倍以上に増加、逆に雨の降らない日(日降水量1mm未満)の頻度も全国的に増加するそうです。

今世紀末に向けて熱中症や干ばつのリスクが大きくなるということかな。このような状況になると、生態系も結構変わりそうですね。

まあ、IPCCの気候変動予測には異論もあるし、また今回の予測はその最悪のシナリオに基づいているので、今世紀末がどのような気候になるのかはわからないけれど。

「地球温暖化予測情報第9巻」は、全国平均とともに全国7地域別、月別にも予測されています。
下の表は、そのうち全国平均及び静岡が属する東日本太平洋側を抜粋したものです。

気象庁「地球温暖化予測情報第9巻」による気温、降水・降雪の20世紀末と比較した21世紀末の変動量

参照
・ 「地球温暖化予測情報第9巻」の概要 2017年3月/気象庁 (PDF 1.1MB)
・ 「地球温暖化予測情報第9巻」2017年3月/気象庁 (PDF 24.1MB)

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2016.02.20

木材の酸素同位体比によって1年単位で年代が決定できるんですね

静岡県埋蔵文化財センター主催の総合地球環境科学研究所 中塚 武教授の講演「気候と歴史の関係から何を学ぶべきか?」を聞いてきました。

歴史記念講演「気候と歴史の関係から何を学ぶべきか?」パンフレット/静岡県埋蔵文化センター
・ 歴史記念講演「気候と歴史の関係から何を学ぶべきか?」パンフレット/静岡県埋蔵文化財センター

中塚さんは遺跡から出土した木製品などの年輪に含まれる酸素同位体比を分析して、過去2000年以上の日本列島の気候の復元に取り組んでいる研究者です。

木材の年輪に含まれる酸素のほとんどを占める16Oとそれより重い同位体18Oの比を調べることによって、4300年前に遡って年単位(精度を上げれば月単位)で年代を決定できるようです。
月単位になんてできるのかと最初は思ったけれど、講演で紹介された最近の実測した月単位の湿度のデータと酸素同位体比の数値の推移が同じ傾向を示しており、過去に遡って同位体比から湿度が推定できたらすごいことだと感じました。

今のところ日本では降水量のデータが復元できているとのことです。

このことによって過去の気候変動の様子がわかり、古文書などに記録された史実と照合すると、大きな歴史的な出来事と気候変動の関連が推察されるそうです。

面白かったのは、飢饉や政変など大きな出来事の起きる前の数十年間は比較的気候が安定した期間であったこと。そして、その間は作物の収穫量が増えるとともに、技術や社会システムが洗練され環境収容力(人を養える力)が大きくなるそうです。そして、その状態で気候変動が起きると作物の生産量が落ち環境収容が下がり、社会が混乱し歴史的な出来事が起こるという推察です。

この講演を聞いていて、もしかしたら現代は気候変動による環境収容力が低下するところにきているのかもと思いました。

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2015.11.17

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の地球全大気の二酸化炭素濃度の測定結果はすごいね

2009年年初に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の二酸化炭素濃度の測定結果が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)及び環境省から公表されました。

「いぶき」は高度660kmの軌道で地球を約100分で周回している観測衛星で、地球的規模で約5,600点温室効果ガスを測定しています。今回、そのデータをもとに月別の地球全大気の二酸化炭素(CO2)濃度の推定結果が公表されました。

個々の数値データについては、NIESから近日公開予定とのことで個人的にグラフに落とし込むことはできません。
ただ、公表された2009年から2015年の月別二酸化炭素濃度の推移のグラフを見ると、植物の光合成量の影響で濃度は夏に下がり冬に上がる季節変動を繰り返しながら、少しずつ上昇をしています。
NIESのプレスリリースでは、2015年7月の二酸化炭素全大気平均濃度は397.1ppm、同月の推定経年平均濃度値は398.2ppm、過去1年間(2014年7月~'15年7月)の増加量は2.0ppm/年となり、このまま推移すれば近いうちに400ppmに達するとしています。

この二酸化炭素濃度400ppmや年増加量2.0ppmはどういった意味を持つのだろう?

ずいぶん前に読んだジェームス・ラブロックの「ガイアの復讐」では、温暖化の臨界点を500ppmとしています。また、IPPC第5次評価報告書では、21世紀において気温上昇が2℃未満に収まる可能性の高い温室効果ガスの二酸化炭素換算濃度を430~480ppmとしています。

もっとも気候変動については、温暖化説が有力だけど太陽活動の状態から寒冷化を唱える研究者もいるし、よくわかりません。

でも「いぶき」によって地球全体の二酸化炭素濃度の推移が把握されることは、有意義なことだね。設計寿命が5年と短いことが気になるけれど。

参考
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データに基づく月別二酸化炭素の全大気平均濃度の公表について (2015.11.16)/国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
「いぶき」の観測データに基づく全大気中の月別二酸化炭素濃度 速報値/国立研究開発法人国立環境研究所
・ 気象変動2014総合報告書 政策決定者向け要約/気象庁(気候変動に関する政府間パネル) PDF: 4.00Mb

関連エントリー:ガイアの復讐/ジェームス・ラブロック (2006.12.14)

引用文温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データに基づく月別二酸化炭素の全大気平均濃度の公表について
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT(ゴーサット))は、環境省、国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した世界初の温室効果ガス観測専用の衛星であり、平成21年1月23日の打上げ以降、現在も観測を続けています。
「いぶき」観測データを使って、地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は季節変動をしながら年々上昇し、平成27年5月に約398.8ppmを記録しました。さらに推定経年平均濃度※は平成27年7月に約398.2ppmに達したことがわかりました。このままの上昇傾向が続けば、月別平均濃度や推定経年平均濃度はともに、遅くとも平成28年中に400ppmを超える見込みです。これは、「いぶき」の観測によって地球大気全体の平均濃度が400ppmに近づくことを初めて示すことになり、衛星による温室効果ガス観測の重要性を表すものと言えます。
※ 推定経年平均濃度:季節変動を取り除いた2年程度の平均濃度値
2015/11/16/国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 国立研究開発法人国立環境研究所 環境省

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2014.03.11

中国では結局星は見られなかった

昨日、浙江省から上海経由で帰ってきました。

上海浦東国際空港に駐機中の中国東方航空 MU2019 B737-800
・ 上海浦東国際空港に駐機中の中国東方航空 MU2019 B737-800

五島列島上空を飛行中のMU2019
・ 五島列島上空を飛行中のMU2019

8日間の短い滞在でしたが、杭州市で恒星がどのように見えるのか楽しみでした。杭州市は静岡と緯度があまり変わらないから、同じように見えるのかな。

でも結局、恒星は見られませんでした。

雨の日もありましたが、空が見える日もあったので、やはりPM2.5の影響があるのでしょうか。

開会中の全国人民代表大会で、調査をした約96%に当たる71都市でPM2.5が基準値(年平均値 35μg/m³ 日本の基準値 年平均値 15μg/m³)を上回ったとの発表されたことを、共同通信が報じています。

上海浦東国際空港第二ターミナル越しの霞む朝日 2014.03.11
・ 上海浦東国際空港第二ターミナル越しの霞む朝日 2014.03.11

富士山静岡空港に着いて吸った空気の美味しかったこと。太陽の白い日差しが眩しかったこと。遠くの山の輪郭がクッキリ見えること。普段はそんなこと思いもしないのにね。

引用文中国PM2.5、96%で基準超 74都市で調査
中国環境保護省の呉暁青次官は8日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)で記者会見し、昨年1年間、中国の74都市で大気汚染の状況を調べた結果、約96%に当たる71都市で微小粒子状物質「PM2.5」が基準値を上回ったことを明らかにした。
中国政府が定めた大気1立方メートル当たりのPM2.5の基準値は、年平均35マイクログラムだが、調査した全74都市の年平均値は72マイクログラムで約2倍を記録。基準を満たしたのはチベット自治区の区都ラサなど3都市にとどまった。
2014/03/08/共同通信

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2014.03.10

上海浦東国際空港の朝

朝7時の上海浦東国際空港の第二ターミナルです。
朝日が霞んでいます。

上海浦東国際空港第二ターミナル
・ 上海浦東国際空港第二ターミナル

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2013.08.23

静岡ではクマゼミが増えてきたよね

僕が子供の頃はセミといえばアブラゼミが一般的でクマゼミはなかなか捕まえらずステータスの高い種類のセミでした。

クマゼミの雌成虫 2013.08.22 静岡市葵区平野部
・ クマゼミの雌成虫 2013.08.22 静岡市葵区平野部

それがここ数年来(もっと前からかもしれないけれど)、アブラゼミと並んでよく見かけるありふれたセミになりました。

南方系のセミを静岡辺りでも見かけるようになったのは、温暖化の影響ではないかとの説があります。
確かに静岡の年間の平均・最高・最低気温とも徐々に上昇しているのでその影響があるかもしれません。
まぁ、確かなことはいえないけれど。

静岡の年別平均・最高・最低気温の推移 1940-2012/気象庁

ところで最近の子供はセミ捕りなんかするのかな?

・ 関連Blogはこちらへ。

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2012.05.11

ツバメが減っている?

毎年ウグイスの声からツバメの声に替わるとそろそろ初夏だなぁと感じます。

今年もツバメは近所の魚屋さんの軒下に巣を作り住宅街の空間を高く低く飛び回っています。

ツバメ 2012.05.06 静岡市葵区
・ ツバメ 2012.05.06 静岡市葵区

そのツバメが減っているのではとNHKが報じていました。
僕の周りでは減ったという印象はありませんが、全国的には減る傾向にあるようです。

ツバメは人間の生活空間の中に巣を作り子育てをする身近な野鳥です。
農地が減って巣の材料となる泥や餌の昆虫が得づらくなったり、近代的建物は巣を作るのに適していなかったり、天敵のカラスが増えたりとツバメが減った原因が挙げられています。

日本野鳥の会のサイトでツバメの簡単な生息状況の調査(アンケート)を行っています。

それにしても野鳥の会のサイトに掲載されているツバメの写真は恰好いいです。動きの速いツバメをよく捉えています。僕の腕では上に掲載した写真を撮るのがやっとです ^^;

引用文ツバメが減少 生息状況を全国調査
日本人に身近な渡り鳥として知られるツバメ。
このツバメが生息環境の変化などから日本各地で減る傾向にあるとして、日本野鳥の会は10日から始まった愛鳥週間に合わせて、生息状況の全国調査を初めて行うことになりました。
ツバメは東南アジアなどで越冬し、日本には春先になると主に九州より北の地域に夏鳥として渡ってきて子育てを行います。
人の出入りの多い住宅や店舗の玄関や軒先などに巣作りをすることや、水田などの害虫を食べることから益鳥としても昔から人になじみの深い鳥として知られています。
ところが、日本野鳥の会によりますと、ここ数年、「ツバメが減っている」という声が各地から数多く寄せられているということです。
全国で唯一、県内全域でツバメの数を長年調べている石川県では、40年前と比べて3分の1まで減っているという調査結果もあります。
主な原因について、野鳥の会では、農地が減ったことでツバメが巣作りに使う泥や餌となる虫が減ったこと、巣作りに適している軒のあるような日本家屋が減ったうえ最近の建物の壁には泥がつきにくい加工が施されていること、それに人の生活環境の変化もあって天敵となるカラスが増えたことなどを挙げています。
これを受けて、野鳥の会はツバメの生育状況や減っている原因を調べるため10日から始まった愛鳥週間に合わせて、初めて全国調査を行うことになりました。
一般の人に広く呼びかけて、ツバメの目撃情報や周辺の環境の変化について情報を募るほか、野鳥の会の会員などによるツバメの生息状況の実態調査なども行う方針で、野鳥の会のホームページにアクセスすれば誰でも参加できます。
日本野鳥の会の篠木秀紀さんは「ツバメは農地で害虫を食べるなど、私たちの生活にとって大切な鳥です。古くから人間にとって最も身近で貴重な鳥が減っているということを、多くの人が一度考えてみるきっかけにしてほしいです」と話しています。
日本野鳥の会のホームページは、http://www.wbsj.orgです。
2012/05/10/NHK

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2012.03.01

静岡市でも震災がれきの受け入れを検討

静岡市が、岩手県大槌町や山田町の震災がれきを受け入れるため試験焼却を検討しているそうです。時事通信が報じていました。

震災がれきの受け入れについては、東京都が実施しているし県内でも島田市が受入れに向けて試験焼却を実施し、3月中には受入れの可否を決定するようです。

震災がれきの受入れの可否を複雑にしているのは、福島第一原子力発電所の事故により飛散した放射性物質の汚染の問題です。

東日本大震災の被害の範囲と原発事故の被害の範囲は違い、震災の被害=原発事故の被害ではないけれど、震災がれきというと放射性物質とイメージされてしまうのかな?

でも、東京都や島田市の公表されたデータを見ると受入れは問題ないように感じます。

関連エントリー
島田市は震災がれきの受け入れを慎重に進めているね (2012.02.21)
東日本大震災のがれきの受け入れ (2011.12.17)

参考:がれきの広域処理について/島田市

静岡市でも試験焼却から受入決定の経過、受入後の状況を逐一公表していねいな説明をすればいいと思います。

静岡新聞によると静岡市の他、浜松市など4市1町でも震災がれきの受け入れを検討しているそうです。

「安全」という科学的な側面と「安心」という感覚的な側面の両方から静岡市民の一人として僕も考えていかなきゃね。
特に風評被害は一人一人が作ってしまうものだから。

引用文試験焼却に向け県と協議へ=災害廃棄物受け入れで―田辺静岡市長
静岡市の田辺信宏市長は28日の定例記者会見で、岩手県大槌、山田両町の災害廃棄物について、試験焼却を実施する前提で静岡県と協議に入ると発表した。県市長会が試験焼却実施に向けた手続きに入ることで一致したことを受けたもので、鈴木康友浜松市長とも連携して進めるという。
試験焼却の時期やがれき量については、今後、県と協議する。最終的な受け入れ判断は、試験焼却後に結果を公開した上で、処理施設周辺の住民や市民らの意見を踏まえ判断する。
田辺市長は「島田市の試験焼却結果を踏まえると、焼却前の災害廃棄物が受け入れ方法や数値などで安全だと確認された」と強調。その上で、「試験焼却実施で焼却灰の最終処分方法や風評被害への対応などの課題を具体的な形で検証していきたい」と述べた。
島田市の試験焼却では、焼却灰の放射性物質(セシウム)の濃度は1キロ当たり64ベクレル(速報値)だった。
2012/02/28/時事通信

引用文被災がれき、5市1町が試験焼却意向 静岡新聞調査
岩手県山田、大槌両町の被災がれき(災害廃棄物)の広域処理をめぐり、静岡新聞社が総局、支局を通じて県内全35市町に試験焼却の実施意向をアンケート調査したところ、既に実施済みの島田市以外に、静岡、浜松の両政令市と富士、伊東、裾野、西伊豆の計5市1町が試験焼却を実施する意向が「ある」と答えた。
島田市を含めた6市1町はいずれも、地元に焼却灰の最終処分場がある。ほとんどが県市長会、県町村会が県に策定を求めた試験焼却の処理計画を基に、具体的作業の検討に入る考えを示している。
本格的な受け入れについて、市長会長の鈴木尚富士市長は「データを基に、市民や議会の理解が得られれば計画に基づき受け入れる」と回答。裾野市は「住民の理解を得てから実施する予定」とし、西伊豆町も風評被害の他市町への懸念などの諸課題が解決されれば「踏み切る」とした。県内の複数市町で、がれき広域処理の本格的な受け入れまで進む可能性が出てきた。
一方、「ない」としたのは無回答の3町を含めれば11市町。焼却施設の規模が小さく、自前の最終処分場を持たない町を中心に小規模自治体での広域処理の実施は困難な現状がうかがえる。無回答の清水町と川根本町はそれぞれ、沼津市と島田市に処理を委託。森町は袋井市との広域処理組合で処理していることなどを理由に挙げた。
被災がれきの広域処理
環境省によると、岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村で発生したがれきは推計2252万8千トン。同省は岩手、宮城両県分のがれきを全国の自治体で広域処理するよう呼び掛けているが、放射能汚染への懸念などから受け入れ支援は進んでいない。焼却や埋め立てなどでの処理が済んだのは、2月20日現在、全体の5%の117万6千トン。
2012/03/01/静岡新聞

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2012.02.21

島田市は震災がれきの受け入れを慎重に進めているね

島田市が東日本大震災で発生した岩手県山田町のがれきを受け入れ焼却するための試験をおこなっています。

震災で東北地方を中心に受けた大きな傷は一人一人ができ得る範囲でシェアしていかなければと僕は考えています。
昨年の12月17日のエントリーにも書いたけれど、がれきの受け入れもそのひとつだと思います。

関連エントリー:東日本大震災のがれきの受け入れ (2011.12.17)

問題を複雑にしているのは福島第一原子力発電所の事故によりまき散らされた放射性セシウムを中心とした放射性物質の問題です。
東日本大震災の被害範囲と放射性物質が飛散して影響を与えた範囲はそれぞれで考えるべきで、今回、島田市が受け入れを検討している岩手県山田町は震災の影響は大きく受けたけれど、原発事故の影響は静岡県と余り変わらないんじゃないかと感じています。

参考:放射線量等分布マップ拡大サイト/文部科学省

ただ、地震や津波の物理的な被害は素人目にもわかりやすいのですが、放射性物質は五感で感じることができず知識も乏しくわかり難いです。

そういったことから島田市は東京都に倣ってがれきの受け入れを慎重に進めているのだと思います。

静岡県のサイト、災害廃棄物の試験焼却における放射能測定結果によると、今回持ち込まれた岩手県山田町のがれきの放射性物質の状況の抜粋は次のとおりです。

・ 災害廃棄物の木材チップ2サンプルの放射性セシウム(セシウム134+137)濃度:15.2,15.8Bq/kg(測定日 2012.02.08)
・ コンテナに積み込んだ災害廃棄物の遮蔽線量率:0.000~0.001μS/時(測定日 2012.02.10,11)
・ 静岡貨物駅のバックグラウンドの空間線量率:0.06μS/時(測定日 2012.02.15)
・ 焼却灰等の放射性セシウム濃度測定結果:64Bq/kg(測定日 2012.02.17)

この公表された数字では、がれき(災害廃棄物)の遮蔽線量率よりも静岡貨物駅のバックグラウンド空間線量率の方が一桁高く、今回試験に使ったがれきはまったく問題はないようにみえます。

でも、安全と安心は別の次元の問題で、市民の安心を得るためには測定したデータの徹底した公表を継続することと丁寧な説明が必要なんだと思います。

引用文震災がれき、処理灰を公開=セシウム濃度は基準内―静岡県島田市
東日本大震災で発生したがれきの広域処理で、静岡県島田市は20日、市役所本庁舎などで試験焼却を終えた後に回収した焼却灰を公開した。灰の放射性物質(セシウム)の濃度は速報値で1キロ当たり64ベクレルと受け入れ基準(同500ベクレル以下)に適合しており、市の担当者は「安心している」と語った。詳細な分析結果が全て判明するのは3月下旬となる見通しで、その後同市は本格受け入れを検討する。
試験焼却では、岩手県山田町の災害廃棄物約10トンをコンテナ5台で運搬。焼却前にコンテナを開封したときのセシウム濃度は13~23ベクレルで、焼却した結果、濃度が高くなったものの、受け入れ基準は下回った。
市役所本庁舎を訪れた市民からは「大丈夫と確信した」(60代男性)、「放射能だけではなく、他の物質も調べてもらえなければ安心できない」(40代女性)などの声が聞かれた。
これに関連し、細野豪志環境相は同日、都内で記者団に「島田市のやり方は一つのモデルになる。(がれきの)受け入れに反対している方がご自身で安全性を確認し、判断してもらうことが重要だ」と述べ、同市の取り組みを評価した。
2012/02/20/時事通信

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2011.12.27

食品中の放射性セシウムの規格基準が決まった

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会が、放射性セシウムの規格基準を設定しました。

現行の暫定規制値は、福島第一原子力発電所の事故以降急遽、原子力安全委員会の「飲食物の摂取制限に関する指標」(原子力施設等の防災対策について)を基に決められたものだから、今回見直し正規の規格基準として定められました。

このことは前々から気になっていたので、放射性物質対策部会の資料を読みました。

規格基準は、今回の事故で放出された核種のうち半減期が1年以上(Cs-134,Cs-137,Sr-90,Ru-106,Pu-238,Pu-239,Pu-240,Pu-241)の放射性物質について、介入線量レベルを年間1mSvとしています。

その中で放射性物質セシウム(Cs-134,Cs-137)の食品区分ごとに規格基準が定められました。

まず代替がきかず摂取量の多い飲料水をWHOの基準に準じて10Bq/kgとしています。

一般食品については、もっとも影響を受ける13〜18歳、男性の限度値120Bq/kgを基に100Bq/kgとしています。

一般食品は食品の汚染割合を50%、乳児をはじめとた子供が食べることが多い乳児用食品と牛乳は安全性をみて100%としています。このため乳児用食品と牛乳の規格基準は50Bq/kgになっています。

参考:薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会資料/厚生労働省 (2011.12.22)

放射性セシウムの暫定規制値と規格基準

う〜む sweat01 食品区分ごと規格基準を積み上げると最終的に1mSv/年になるのだろうけど、今ひとつピンとこないな。
もう少し報告書を読んでみなきゃ。

関連エントリー:食品中の放射性物質の暫定規制値が見直されるそうだ (2011.11.11)

引用文セシウムの新規制値、一般食品は100ベクレル
食品中の放射性セシウムの新たな規制値を検討してきた厚生労働省は22日、薬事・食品衛生審議会で正式に数値などを提示し、了承された。
一般からの意見を募り、文部科学省の放射線審議会の答申を受けるなどの手続きを経た後、食品衛生法に基づく規格に定められる。原則として来年4月から、輸入品を含め国内で流通する全ての食品に適用される。
食品を4区分して定められた新規制値は、粉ミルクなどの「乳児用食品」と「牛乳」が1キロ・グラムあたり50ベクレル、水道水やペットボトル入りのお茶などの「飲料水」が同10ベクレル、それ以外の「一般食品」が同100ベクレル。
新規制値は、一般国民が年間に食品から摂取する許容線量を1ミリ・シーベルトと定め、標準的な食品の食べ方から年代や性別ごとに試算。食べる量などから、もっとも厳しい数値が必要になった「13~18歳の男性」を基準とし、一般食品は100ベクレルとした。大人より放射線の影響を強く受けるとされる乳児や子供に配慮し、乳児用食品と牛乳は一般食品の半分とした。飲料水は全年代が必要とし、料理にも使うためとりわけ厳格にした。
2011/12/22/読売新聞

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