カテゴリー「サイエンス」の228件の記事

2020.01.22

ふじのくに防災学講座「富士山噴火と我が国の火山防災」を聴講してきました

先週の土曜日に沼津のプラサヴェルデで開催されたふじのくに防災学講座「富士山噴火と我が国の火山防災」に行ってきました。
ふじのくに防災学講座は、静岡県地震防災センターが自然・社会科学、行政など様々な視点で開く講座で今回で124回になります。

僕は、興味のある地震や火山の発生メカニズムや現在の研究の状況など自然科学的な面をテーマにした回を聴講しています。

今回は火山噴火予知連絡会会長だった藤井敏嗣東大名誉教授の富士山噴火に関わる講演です。

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富士山は、西日本を構成するユーラシアプレートに沈み込んだフィリピン海プレートの先にある活火山です。
過去3500年の間に平均すると数十年に1回富士山は噴火をしているといわれますが、1707年の宝永噴火以来約300年噴火をして
いません。

おそらく地下にマグマが相当蓄積していると予測されるので、いったん噴火するとその噴出物で周辺はもとより首都圏に甚大な被害
を及ぼすと懸念されています。

ただ、噴火の予測は難しいそうそうで、御嶽山のような水蒸気噴火では直前にならないとわからないそうです。マグマ噴火の場合は、
地震の発生や山体の膨張など事前の兆候をとらえられる可能性がありますが、富士山はマグマだまりが深い位置ありそれも難しいと
でした。

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今、僕らが見ている富士山は約1万年前に活動を開始した新富士火山で、その下には約10万年前に活動を開始した古富士火山、さらにその下には約70万年前から活動を開始した小御岳火山があると言われています。

僕らは過渡期の美しい富士山を見ているのかもしれません。

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2019.12.13

地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その2 - 研究施設としての「ちきゅう」

「ちきゅう」は海底の掘削を行うとともに、サンプリングしたコアを船内で分析する研究施設があります。

地質の状況に応じて複数の掘削刃(ビット)を使い、使用はコアバレルと呼ばれる円筒形の筒の中に収められます。

このコアを1.5mに切断し、船内の研究室で物理性や微生物、地磁気などの分析がされます。

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・ コアバレル - 円筒形の筒の中にサンプリングしたコアが入っており、1.5mに切断される

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・ 掘削刃(ビット) - 状況に応じて複数のビットを使い分けて掘削する

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・ X線CTスキャナー - 非破壊でコアの割れ目や空隙、密度構造を迅速に調べることができる

室内には、東日本大震災の原因となった太平洋プレートが北米プレート、東南海地震の原因とされるフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む位置のコアのレプリカが展示されていました。

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・ 東北地方太平洋沖 プレート境界断層のレプリカ 水深6,900m 海底下820m

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・ 南海トラフの断面 - 音波を使って得られた南海トラフの断面

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・ 紀伊半島南西沖・南海トラフ 堆積岩(上)と基盤岩の境界のレプリカ 水深3,500m 海底下540m

両方とも明らかに違った地質の石が隣り合っており、これがすべり(スロースリップ)はじめ巨大地震が発生すると思うと、レプリカといえゾッとします。

「ちきゅう」は、外観も面白いけれど研究内容はもっと面白い船です。

関連エントリー:地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その1 - 船としての「ちきゅう」 2019.12.09

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2019.12.09

地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その1 - 船としての「ちきゅう」

11月30日(土)12月1日(日)に清水港・日の出ふ頭で、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の 地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開があったので、日曜日に行ってきました。
「ちきゅう」は清水港を母港としているのでよく見かけますが、内部に入ったのは初めてです。
一般公開は数年に1回程度行われいます。ただ、人気があるようで事前申込制で今回は12月1日12:00~13:00の回に当選しました。

「ちきゅう」は、全長 210m、幅 38.0m、船底からの高さは130mです。「ちきゅう」の外観上の特徴になっている中央のやぐらの高さは、水面から120mあります。

海底を掘削しパイプを通し、10,000mまで地球の内部を調べることができます。

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・ 日の出ふ頭に停泊中の「ちきゅう」(船首から) 船首の大きな屋根状床はヘリコプター用デッキ

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・ 船首からは清水湾越しに富士山が望める

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・ 日の出ふ頭に停泊中の「ちきゅう」(船尾から)

やぐらから海中・海底にパイプをつなぎながら下ろします。

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・ 船底から130mのやぐら(デリック)<br/p>

艦橋には乗船口から階段を5階分登ります。

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・ 艦橋から清水の街を望む

掘削のため海上の一点に止まっていなかればならないため、船はコンピュータで制御されています。

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・ 船のコントロールはコンピュータ制御

次回は「ちきゅう」内部の研究室や探査結果などの展示について書きます。

参照:地球深部探査船 ちきゅう/海洋研究開発機構

関聯エントリー:地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その2 - 研究施設としての「ちきゅう」 2019.12.13

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2019.05.08

「フェルマーの最終定理」の証明に貢献した志村五郎さんが亡くなられたんですね

今朝、新幹線客室出入口の上部の電光掲示板で「...フェルマーの最終定理...」が表示されました。
その時、友人か薦められたサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を読んでいたところだったので、電光掲示板の表示にタイミングがよいというか、意外というか、少し驚きました。
表示はすぐ流れてしまったので内容は分からなかったので調べてみると、「フェルマーの最終定理」の証明に貢献した志村五郎さんが亡くなられたことを伝えるニュースでした。

「フェルマーの最終定理」は、

xn+yn=znにおいてnが3以上の自然数は存在しない
(n=2はピタゴラスの定理として有名ですね)

というもので、17世紀フランスの数学者 ピエール・ド・フェルマーが提唱した定理です。ただ、フェルマー自身はその証明を書き記さなかったため、フェルマーの死後360年間証明がされなかった数学で最も証明が困難な定理とされていました。
それが、1995年 アンドリューワイルズによって完全証明がされ、証明にあたって谷山 豊さんと志村五郎さんの「谷村-志村予想」が手がかりになっとというものです。

まあ、実際のところ僕なんかには「フェルマーの最終定理」の証明なんてちんぷんかんぷんなんだけど ^^;

引用文志村五郎さん死去 フェルマーの最終定理の証明に貢献
数学の超難問「フェルマーの最終定理」の証明につながる予想を提唱した米プリンストン大名誉教授の志村五郎さんが3日、89歳で亡くなった。同大が発表した。
志村さんは整数論が専門。1950年代~60年代に、故谷山豊・東京大助教授と共に楕円(だえん)曲線の性質に関する「谷山=志村予想」を提唱。この予想を手がかりに、提示から350年以上数学者を悩ませてきた整数論の難問、フェルマーの最終定理が、英国のアンドリュー・ワイルズさんによって95年に証明された。
東大卒業後、同大助教授などを経て、64年から99年までプリンストン大教授を務めた。77年に米数学会「コール賞」、91年度に朝日賞を受賞した。
2019/05/06/朝日新聞

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2019.02.09

「ちきゅう」の南海トラフ・プレート境界断層の到達は不可能

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が、熊野灘沖で進めている南海トラフ・境界プレート断層に向けた掘削は不可能なようです。JAMSTECがアナウンスしています。

現在、海面下3,263mまで掘削か進み境界断面までもう少しのところに来ていましたが、地質構造上予測を上回る困難な状況のみたいです。流石に5,200mまで掘り下げるのは難しいかったんですね。

巨大地震の震源とされるプレート境界面の地質や岩石がどうなっているのか、直接のデータが得られず残念です。


IODP Exp. 358 NanTroSEIZE Plate Boundary Deep Riser 4 “Prelude”./jamstecchannel

関連エントリー:ふじのくに防災学講座『南海巨大地震の過去と今を解き明かす - 地球深部探査船「ちきゅう」の成果から -』を聴講しました 2019.01.20

引用文<お知らせ>
いつも「ちきゅう」を応援していただき、誠にありがとうございます。現在も「ちきゅう」は南海トラフでの超深度掘削を続けておりますが、この度、目標としていたプレート境界断層への到達は不可能である見込みとなりましたので、お知らせします。
国内外の研究者及び技術者と議論を重ね、プレート境界断層へ到達する最善の方策を採用し、掘削を行なってまいりましたが、掘削地点の地質構造は予測していた以上に掘削が困難なものでした。「ちきゅう」は、これまでに海底下3,262.5mに到達しています(科学掘削として世界最深)。船上では、地層の物性データや地質試料の分析などによって、巨大地震の発生メカニズムについての研究が続けられています。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。
2019/02/08/海洋研究開発機構地球深部探査センター

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2019.01.20

ふじのくに防災学講座『南海巨大地震の過去と今を解き明かす - 地球深部探査船「ちきゅう」の成果から -』を聴講しました

先日の土曜日に静岡県地震防災センター主催の「第114回ふじのくに防災学講座」が、沼津のプラサヴェルデで開催されたので聴講してきました。
今回は、『南海巨大地震の過去と今を解き明かす - 地球深部探査船「ちきゅう」の成果から -』をテーマに海洋研究開発機構地球深部探査センターの倉本真一センター長の講演です。

第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ
・ 第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ

第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ

現在、地球深部探査船「ちきゅう」は、和歌山・熊野灘で南海トラフ付近の掘削を行っています。この地域は、陸地に近い位置でフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む場所で、「ちきゅう」によって数回にわたり掘削が行われました。

今回のミッションは、最終段階でユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界付近まで掘削を進めるものです。

巨大地震は沈み込むプレートが上側のプレートとの摩擦で滑らなくなった固着域に歪みが蓄積され、その歪みが解放されるときに起きるとされています。

今回の掘削で、境界部上部の岩石を採取し、どの程度の圧力がかかっているのか、岩石はどの程度の圧力により崩壊するのかを調べるそうです。
そのことによって、南海トラフでの地震の逼迫性がわかるかもしれません。

また、これまでプレートが沈み込む付近は摩擦が少なくゆっくり滑り大きな地震は起こらないとされていましたが、東日本大震災のメカニズムを調査した結果、その領域でも大きな地震が起きるかもしれないということです。駿河湾沖を想像してちょっとドキリとしました。

今回の講座は、これまでの「ちきゅう」の成果と、現在進行している熊野灘での調査の内容がよくわかって面白かったです。

関連エントリー:南海トラフ・プレート境界を調査している「ちきゅう」が3260mまで掘削 2019.01.16

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2019.01.19

日本海溝に沈み込む鹿島第一海山

ブルーバックスの「日本列島の下では何が起きているのか」に、太平洋プレートが北米プレートに沈み込みにともなって鹿島第一海山が日本海溝に沈み込む途中であることが記述されていました。

鹿島第一海山は、太平洋上でマグマが地表に出てできるホットスポット火山で、太平洋プレートの移動とともに移動してきたとされています。

そして、現在、北米プレートの下に沈み込む途中であるそうです。ダイナミックですね。

鹿島第一海山と日本海溝 ※ Google Earthに加筆
・ 鹿島第一海山と日本海溝 ※ Google Earthに加筆

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2019.01.16

南海トラフ・プレート境界を調査している「ちきゅう」が3260mまで掘削

熊野灘沖で南海トラフ協会を調査している海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」の掘削が3260mに達したと、NHKが報じていました。

フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込むプレート境界断層の5200mに近づいてきました。

巨大地震の想定される震源付近がどのような構造になっているか、とても興味があります。
掘削が順調に進むといいですね。

今週の土壌日(1/19)のふじのくに防災学講座で、『南海巨大地震の過去と今を解き明かす -地球深部探査船「ちきゅう」の成果から-』をテーマに地球深部調査センターの倉本真一センター長の講演があります。
こちらも楽しみです。

関連エントリー:地球深部探査船「ちきゅう」が南海トラフ境界部を掘削するそうです 2018.09.18


IODP Exp. 358 : NanTroSEIZE Deep Riser Drilling: NankaiSeismogenic/Slow Slip Megathrust/jamstecchannel

引用文探査船「ちきゅう」海底3260メートルまで掘削に成功
南海トラフ巨大地震の発生が予測されるプレート境界と呼ばれる場所を目指し、和歌山県沖の海底を掘り進めている探査船「ちきゅう」について、海洋研究開発機構は、これまでで最も深いおよそ3260メートルまで掘削することに成功したと発表しました。最終的にはおよそ5200メートルまで掘り進めプレート境界付近の岩石を採取して調べる計画です。
海洋研究開発機構などの研究グループは、12年前から探査船「ちきゅう」で和歌山県沖の海底の掘削調査をしていて、去年10月から13回目の調査を行っています。
研究グループによりますと、これまで海底の下を最も深く掘ったのは6年前の3058メートルでしたが、今回の掘削では、先月、およそ3260メートルまで達し、記録を更新したということです。
南海トラフでは地震の発生が予測されるプレート境界と呼ばれる場所が、海底の下およそ5200メートルにあるとされ、研究グループでは最終的に境界付近まで掘って岩石を採取し、詳しく調べて地震の予測精度を高めたいとしています。
海洋研究開発機構の倉本真一地球深部探査センター長は「記録は更新したが、岩盤は堅く、穴は崩れるなど予断を許さない。別の方向に向け掘削するなど工夫をして何としてもプレート境界に達したい」と話しています。
2019/01/16/NHK

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2019.01.03

ニュー・ホライズンズがカイパーベルトの準惑星「ウルティマ・トゥーレ」に接近、ブライアン・メイが「ニュー・ホライズンズ」をリリース

探査機 ニュー・ホライズンズが、カイパーベルトにある小惑星 ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)に接近し、27,000kmから撮ったイメージがNASAのサイトに公開されました。

長径が33km、大きな球と小さな球がつながった雪だるまのような形をしています。大きな球をウルティマ、小さな球をトゥーレと愛称が付けられています。

The Kuiper Belt object Ultima Thule
・ The Kuiper Belt object Ultima Thule
・ Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute

ニュー・ホライズンズは、2015年7月に冥王星とその衛星 カロンに最接近しました。その時の画像も衝撃的だったから、これから送られてくるものも楽しみです。

参照:NASA's New Horizons Mission Reveals Entirely New Kind of World 2019.01.02/NASA

また、この接近にともない、ニュー・ホライズンズのプロジェクトに参画している天文学者でクイーンのギタリストでもあるブライアン・メイが楽曲を提供しています。

映像とあわせてなかなか聴かせます。ニュー・ホライズンが木星の衛星イオをかすめるシーンや冥王星とカロンのツーショットにはグッときます。


Brian May - New Horizons (Ultima Thule Mix) [Official Music Video]/Queen Official

関連エントリー
ニュー・ホライズンズが7月中旬に冥王星に最接近する 2015.06.07
ニュートンの冥王星とカロンのポスター型カレンダー 2015.12.05

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2018.12.25

インドネシア・スンダ海峡の津波を引き起こしたアナク・クラカタウ火山はジャワ海溝の火山フロント?

22日の夜にインドネシア・スンダ海峡で発生し大きな被害を出している津波の原因は、アナク・クラカタウ火山の噴火によるもののようです。

Google Earthでインドネシア周辺を見ると、西側のインド洋にインド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートに沈み込むジャワ海溝があって、アナク・クラカタ火山はその火山フロントの一部に見えます。

ジャワ海溝付近 ※ Google Earthから画像引用
・ ジャワ海溝付近 ※ Google Earthから画像引用

このような地形は身近にあります。
太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込む伊豆・小笠原海溝とその火山フロントである伊豆・小笠原火山帯です。

伊豆・小笠原海溝付近 ※ Google Earthから画像引用
・ 伊豆・小笠原海溝付近 ※ Google Earthから画像引用

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