カテゴリー「サイエンス」の223件の記事

2019.01.20

ふじのくに防災学講座『南海巨大地震の過去と今を解き明かす - 地球深部探査船「ちきゅう」の成果から -』を聴講しました

先日の土曜日に静岡県地震防災センター主催の「第114回ふじのくに防災学講座」が、沼津のプラサヴェルデで開催されたので聴講してきました。
今回は、『南海巨大地震の過去と今を解き明かす - 地球深部探査船「ちきゅう」の成果から -』をテーマに海洋研究開発機構地球深部探査センターの倉本真一センター長の講演です。

第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ
・ 第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ

第114回ふじのくに防災学講座 2019.01.20 プラサヴェルデ

現在、地球深部探査船「ちきゅう」は、和歌山・熊野灘で南海トラフ付近の掘削を行っています。この地域は、陸地に近い位置でフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む場所で、「ちきゅう」によって数回にわたり掘削が行われました。

今回のミッションは、最終段階でユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界付近まで掘削を進めるものです。

巨大地震は沈み込むプレートが上側のプレートとの摩擦で滑らなくなった固着域に歪みが蓄積され、その歪みが解放されるときに起きるとされています。

今回の掘削で、境界部上部の岩石を採取し、どの程度の圧力がかかっているのか、岩石はどの程度の圧力により崩壊するのかを調べるそうです。
そのことによって、南海トラフでの地震の逼迫性がわかるかもしれません。

また、これまでプレートが沈み込む付近は摩擦が少なくゆっくり滑り大きな地震は起こらないとされていましたが、東日本大震災のメカニズムを調査した結果、その領域でも大きな地震が起きるかもしれないということです。駿河湾沖を想像してちょっとドキリとしました。

今回の講座は、これまでの「ちきゅう」の成果と、現在進行している熊野灘での調査の内容がよくわかって面白かったです。

関連エントリー:南海トラフ・プレート境界を調査している「ちきゅう」が3260mまで掘削 2019.01.16

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2019.01.19

日本海溝に沈み込む鹿島第一海山

ブルーバックスの「日本列島の下では何が起きているのか」に、太平洋プレートが北米プレートに沈み込みにともなって鹿島第一海山が日本海溝に沈み込む途中であることが記述されていました。

鹿島第一海山は、太平洋上でマグマが地表に出てできるホットスポット火山で、太平洋プレートの移動とともに移動してきたとされています。

そして、現在、北米プレートの下に沈み込む途中であるそうです。ダイナミックですね。

鹿島第一海山と日本海溝 ※ Google Earthに加筆
・ 鹿島第一海山と日本海溝 ※ Google Earthに加筆

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2019.01.16

南海トラフ・プレート境界を調査している「ちきゅう」が3260mまで掘削

熊野灘沖で南海トラフ協会を調査している海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」の掘削が3260mに達したと、NHKが報じていました。

フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込むプレート境界断層の5200mに近づいてきました。

巨大地震の想定される震源付近がどのような構造になっているか、とても興味があります。
掘削が順調に進むといいですね。

今週の土壌日(1/19)のふじのくに防災学講座で、『南海巨大地震の過去と今を解き明かす -地球深部探査船「ちきゅう」の成果から-』をテーマに地球深部調査センターの倉本真一センター長の講演があります。
こちらも楽しみです。

関連エントリー:地球深部探査船「ちきゅう」が南海トラフ境界部を掘削するそうです 2018.09.18


IODP Exp. 358 : NanTroSEIZE Deep Riser Drilling: NankaiSeismogenic/Slow Slip Megathrust/jamstecchannel

引用文探査船「ちきゅう」海底3260メートルまで掘削に成功
南海トラフ巨大地震の発生が予測されるプレート境界と呼ばれる場所を目指し、和歌山県沖の海底を掘り進めている探査船「ちきゅう」について、海洋研究開発機構は、これまでで最も深いおよそ3260メートルまで掘削することに成功したと発表しました。最終的にはおよそ5200メートルまで掘り進めプレート境界付近の岩石を採取して調べる計画です。
海洋研究開発機構などの研究グループは、12年前から探査船「ちきゅう」で和歌山県沖の海底の掘削調査をしていて、去年10月から13回目の調査を行っています。
研究グループによりますと、これまで海底の下を最も深く掘ったのは6年前の3058メートルでしたが、今回の掘削では、先月、およそ3260メートルまで達し、記録を更新したということです。
南海トラフでは地震の発生が予測されるプレート境界と呼ばれる場所が、海底の下およそ5200メートルにあるとされ、研究グループでは最終的に境界付近まで掘って岩石を採取し、詳しく調べて地震の予測精度を高めたいとしています。
海洋研究開発機構の倉本真一地球深部探査センター長は「記録は更新したが、岩盤は堅く、穴は崩れるなど予断を許さない。別の方向に向け掘削するなど工夫をして何としてもプレート境界に達したい」と話しています。
2019/01/16/NHK

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2019.01.03

ニュー・ホライズンズがカイパーベルトの準惑星「ウルティマ・トゥーレ」に接近、ブライアン・メイが「ニュー・ホライズンズ」をリリース

探査機 ニュー・ホライズンズが、カイパーベルトにある小惑星 ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)に接近し、27,000kmから撮ったイメージがNASAのサイトに公開されました。

長径が33km、大きな球と小さな球がつながった雪だるまのような形をしています。大きな球をウルティマ、小さな球をトゥーレと愛称が付けられています。

The Kuiper Belt object Ultima Thule
・ The Kuiper Belt object Ultima Thule
・ Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute

ニュー・ホライズンズは、2015年7月に冥王星とその衛星 カロンに最接近しました。その時の画像も衝撃的だったから、これから送られてくるものも楽しみです。

参照:NASA's New Horizons Mission Reveals Entirely New Kind of World 2019.01.02/NASA

また、この接近にともない、ニュー・ホライズンズのプロジェクトに参画している天文学者でクイーンのギタリストでもあるブライアン・メイが楽曲を提供しています。

映像とあわせてなかなか聴かせます。ニュー・ホライズンが木星の衛星イオをかすめるシーンや冥王星とカロンのツーショットにはグッときます。


Brian May - New Horizons (Ultima Thule Mix) [Official Music Video]/Queen Official

関連エントリー
ニュー・ホライズンズが7月中旬に冥王星に最接近する 2015.06.07
ニュートンの冥王星とカロンのポスター型カレンダー 2015.12.05

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2018.12.25

インドネシア・スンダ海峡の津波を引き起こしたアナク・クラカタウ火山はジャワ海溝の火山フロント?

22日の夜にインドネシア・スンダ海峡で発生し大きな被害を出している津波の原因は、アナク・クラカタウ火山の噴火によるもののようです。

Google Earthでインドネシア周辺を見ると、西側のインド洋にインド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートに沈み込むジャワ海溝があって、アナク・クラカタ火山はその火山フロントの一部に見えます。

ジャワ海溝付近 ※ Google Earthから画像引用
・ ジャワ海溝付近 ※ Google Earthから画像引用

このような地形は身近にあります。
太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込む伊豆・小笠原海溝とその火山フロントである伊豆・小笠原火山帯です。

伊豆・小笠原海溝付近 ※ Google Earthから画像引用
・ 伊豆・小笠原海溝付近 ※ Google Earthから画像引用

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2018.12.03

日本海/蒲生俊敬

静岡に住んでいると海は太平洋で、これまで日本海にはあまり意識がいきませんでした。
興味も駿河トラフとか南海トラフとかフィリピン海プレートとか、太平洋側の現象です。

ただ、「日本海」を読んで意識が変わりました。

日本海が存在することによって、大陸とは違う日本列島の気候、そして日本人の生活や考え方にまで影響を及ぼす大きな存在であることを知りました。

また、間宮、宗谷、津軽、対馬の水深の浅い海峡により、閉じた海になっているため深層から表面に至る独自の海流をつくっているそうです。

この本によって、太平洋側に住む僕には馴染みの薄かった日本海が、現在の日本列島の形成に関わっていることを知りました。

本日本海 その深層で起こっていること
蒲生俊敬(Gamo Toshitaka)/講談社(ブルーバックス)/2016


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2018.10.16

フォッサマグナ/藤岡換太郎

静岡には、日本列島を東西に分断する糸魚川静岡構造線と西日本を南北に分断する中央構造線のふたつの大地溝が走っていいます。
そして糸魚川静岡構造線は、フォッサマグナの西の縁にあたります。

ブルーバックスの「フォッサマグナ」は、タイトルどおりフォッサマグナについての一般向けの解説書ですが、日本列島を構成する重要な地溝にもかかわらずよくわかっていないことが多いのですね。

僕は単純に北米プレートにのった東日本とユーラシアプレートにのった西日本とに海で分断された日本列島に、南からフィリピン海プレートがぶつかってできたのがフォッサマグナだと思っていました。

「フォッサマグナ」を読むと、単純なものではなくフォッサマグナ自体も北と南では地質的に違いがあり、成り立ちが違っているようです。

また、フォッサマグナの深さも6000mまでは分かっているけれど、それ以上はよく分かっていないらしいです。
さらに中央構造線はフォッサマグナの下にあり関東まで伸びているとか、とても複雑な構造をしているみたい。

日本列島を構成する重要なフォッサマグナがよく分かっていないことに、日本列島の成り立ちの特殊性を感じます。

この本は、身近にあるけれどほとんど静岡では姿を見せないフォッサマグナを考えるいい機会になりました。

本フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体
藤岡換太郎 (Fujioka Kantaro)/講談社(ブルーバックス)/2018

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2018.09.23

静大超小型人工衛星「てんりゅう」を搭載した宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機の打上げ成功

宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)が、今日未明、種子島宇宙センターからH-IIBロケット7号機によるり打上げられました。

「こうのとり」が国際宇宙ステーション(ISS)にキャッチアップされるのは、9月27日夜の予定です。

「こうのとり」には、静岡大学の超小型人工衛星「STARS-Me(てんりゅう)」が載せられています。まだまだ、宇宙空間での宇宙エレベーターの研究は始まったばかりですが、実験が成功するといいですね。

宇宙航空研究開発機構のYouTubeから画像引用
・ H-IIBロケット7号機の打ち上げ ※ 宇宙航空研究開発機構のYouTubeから画像引用


「こうのとり」7号機/H-IIBロケット7号機打上げライブ中継 ( KOUNOTORI7 / H-IIB F7 launch live broadcast. )/宇宙航空研究開発機構(JAXA)

引用文H-IIBロケット7号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)の打上げ結果について
三菱重工業株式会社及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから平成30年9月23日2時52分27秒(日本標準時)に、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)を搭載したH-IIBロケット7号機(H-IIB・F7)を打ち上げました。
ロケットは計画どおり飛行し、打上げから約14分59秒後に「こうのとり」7号機を正常に分離したことを確認しました。
今回のH-IIBロケット7号機の打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。
2018/09/23/三菱重工業株式会社、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

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2018.09.18

地球深部探査船「ちきゅう」が南海トラフ境界部を掘削するそうです

清水港を母港とする海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が、この冬に熊野灘の南海トラフ境界部の掘削を行うそうです。日本経済新聞が報じていました。

地球深部探査船「ちきゅう」 清水港袖師埠頭
・ 地球深部探査船「ちきゅう」 清水港袖師埠頭

地球深部探査船「ちきゅう」  ※ 海洋研究開発機構のサイトから引用
・ 地球深部探査船「ちきゅう」 ※ 海洋研究開発機構のサイトから引用

南海トラフは、西日本を形成するユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込み、巨大地震の震源とされています。

現在は地上の地震計やGPSによって地表の動きを継続的に測定して南海トラフの動きをモニターしています。
これが「ちきゅう」の調査で、ふたつのプレートの境界の物理的な変化が捉えられれば、かなり具体的なことがわかるのでしょう。

結果が楽しみです。

引用文「巨大地震の巣」核心部に迫る 南海トラフを掘削
海洋研究開発機構は10月、巨大地震を繰り返し起こしてきた南海トラフの深部の探査を始める。海底を深く掘削できる地球深部探査船「ちきゅう」を使い、海底下5200メートルまで掘り進む。プレート(岩板)境界部の巨大断層まで到達し、岩石を集めるほか、ひずみの蓄積状況を調べる。巨大地震の核心部に迫る世界初の試みで、巨大地震や津波の発生メカニズムの解明へ期待が集まっている。
日本の太平洋側の海底では、日本列島がある陸のプレートの下に、海のプレートが沈み込んでおり、ひずみを少しずつ蓄積している。ため込んだひずみにプレート境界部が耐えられなくなって大きくすべると、南海トラフや東日本大震災のような巨大地震が発生する。境界部の断層は「巨大地震の巣」だ。
現在は地上の地震計や全地球測位システム(GPS)の測定データから、プレート境界の状況や巨大地震のメカニズムなどを推測している。「断層を直接観測して実態を把握できる」と、探査に参加する東京大学の木下正高教授は説明する。
ちきゅうによる南海トラフの掘削は、国際プロジェクトとして2007年に始まった。掘削地点の紀伊半島沖の熊野灘は世界のプレート境界の中でも浅いことから選ばれた。これまでの探査で、海底下約3000メートルまで掘り抜いている。ちきゅうは10月10日に静岡県清水港を出航、さらに穴を掘り進める。境界部の断層には2019年1~2月に到達する予定だ。
今回の探索では、過去に巨大地震を起こした部分を重点的に調べる。断層が高速にすべると、摩擦熱で岩石が溶けてガラスのようになる。採取した岩石を地上に持ち帰って分析し、どのくらいの力に耐えられるかなどを調べる。掘削しながら穴の状況などを観測し、断層付近にかかるひずみを推定する。
2018/09/14/日本経済新聞

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2018.09.07

カンテラ日記/中島 博

「カンテラ日記」は、先日廃棄処分が報じられた富士山測候所の職員が毎日の出来事や感想をつづった「カンテラ日誌」からの抜粋に富士山測候所に11年間勤務した中島 博さんが解説を加え、1985年に発行されたものです。

日誌は、1937年から無人化される2004年まではほぼ完全に残っていたそうですが、廃棄された今では「カンテラ日記」でその片鱗を知ることができます。ただ、「カンテラ日記」も絶版のようで中古本市場にもほとんど出回っていないようです。

この本では測候所が剣ケ峰に移転した1937年から、戦中、敗戦、気象レーダーや新庁舎の建設を経て、1983年までの日誌の極一部が掲載されています。
ごく一部といっても時代ごと内容に特徴と深みがあって読み応えがあります。

「カンテラ日誌」が廃棄され残っていないので、せめて「カンテラ日記」が復刻されはいかな。

関連エントリー:富士山測候所「カンテラ日誌」が廃棄された 悲しいニュースです せめて単行本「カンテラ日記」を復刻できないものか 2018.08.15

本カンテラ日記 富士山測候所の五〇年
中島 博 (Nakashima Hiroshi)/筑摩書房(ちくま少年図書館 90 社会の本)/1985

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