DANCING古事記/山下洋輔トリオ
まさにジャズというアルバムです。そこには、思惑も考えもなく、やりたいようにやる、その緊張感がすごいのです。
「DANCING古事記」は、田原総一朗の企画のドキュメンタリーでテレビ東京が制作したフィルムから、麿 赤児によりレーコード化されたものです。
1969年夏、学生に占拠された早稲田大学で、反戦連合の学生たちが革マルが占拠している大隈講堂からスタインウェイのピアノを民生の支配下にある教室に持ち込み、そこで山下洋輔トリオが演奏をする。そして反戦連合と民生や革マルの騒乱になり、その一部始終をテレビに収めるという企画です。
当時、病気療養から明けた山下は、森山威男と中村誠一でトリオを結成し、新たな表現を模索しているところでした。
ヘルメットとゲバ棒に囲まれ、何が起こるかわからない状況での演奏は緊張感がありスリリングです。中村のソプラノサキソフォンは美しくもあります。
山下と相倉久人との対談集「ジャズに証言」(新潮新書)で、山下が言っていますが、反対派の学生も「今日だけは聴かせろ」となって後ろの方で一緒に聴いていたそうです。
田原の思惑にトリオの演奏が優ったということです。
・ LP・CDの紹介一覧 M0179
DANCING古事記
山下洋輔(p) 森山威男(ds) 中村誠一(ss)
山下洋輔(Yamashita Yosuke)トリオ/SUPER FUJI DISCS/1969
ライブ:早稲田大学本部キャンパス8号館地下1階 1969.07
01. アジテーション
02. テーマ
03. 木喰
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