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2010.01.13

パンデミックH1N1 2009 のヘマグルチニンの構造がスペインインフルエンザと同じ

都道府県によって違いがあるけれど、全国的にはパンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)の感染拡大が一息ついた感じですね。
今、発生しているインフルエンザのほとんどがパンデミックH1N1 2009 だそうだから、ピークを過ぎたからといってもう一度、寒い時期に拡大があるのか、それとも例年の季節性インフルエンザが増えてくるのか、2009/'10シーズンのインフルエンザは今後どんなふうに推移をするのだろう?

インフルエンザの週別定点当たり報告数(全国)の推移 厚生労働省/国立感染症研究所 2006年第28週-2009年第52週

前から不思議に思っていることは、このブログにも書いてきたのだけど、パンデミックH1N1 2009 は「新型」とされているわりには、あまり広がらないことです。新型ならほとんどの人が免疫を持っていないわけで、インフルエンザの感染力からすればもっと広がってもいいんじゃないかと感じています。

僕の周りでは、子供は罹ってもその親は感染しないという話を聞くし、僕の家でもそうでした。

インフルエンザの週別定点当たり報告数の推移 厚生労働省/ 国立感染症研究所

下の表は、年齢階層別人口の割合(2008年データで少し古いけれど)とインフルエンザの推計患者数の年齢階層別割合を比べたものです。
これを見ると、年齢別の人口の割合と比較して、インフルエンザの患者の割合は、19歳までの若い世代が高く、成人、それも年齢が高くなるほど患者の割合は少なくなっています。

まだ、例年なら2009/'10シーズンは始まったばかりだから、今後の推移によってだいぶ変わったものになるかもしれませんが、面白い傾向です。

パンデミックH1N1 2009 を中心としたインフルエンザの推定受診患者の年齢階層別割合

そうしたなか、毎日新聞に独立行政法人 科学技術振興機構の興味深い調査結果が掲載されていました。

これは、ウイルスが細胞に侵入する時に働くタンパク質、ヘマグルチニン(HA)の構造が、パンデミックH1N1 2009とスペインインフルエンザが同じであったというものです。
スペインインフルエンザも同じHA1型だから、基本的な構造は同じなんだろうけど詳細も類似しているということだろうか。

このことは他の研究者も指摘をしていました。

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スペインインフルエンザとその後継ウイルスは、1958年に登場したアジアインフルエンザにより一掃されたといいます。でも、それ以前にインフルエンザに罹ったことがある人には免疫があったとしても不思議ではないですね。

そうすると、パンデミックH1N1 2009 が新型インフルエンザだったのかといった議論にもなるかもしれません。

それと、同じ亜型のAソ連型H1N1との関係はどうなるんだろう?

引用文新型インフルエンザ:スペイン風邪と同じ構造 「高齢者に免疫」裏付け
新型インフルエンザが人に感染するかどうかを左右するウイルスの構造が、スペイン風邪など20世紀前半に流行したウイルスと同じだったことが、科学技術振興機構の西浦博・さきがけ研究員らの研究で分かった。新型ウイルスでは高齢者に感染者が少ないことが知られているが、その原因の一つが解明されたことになる。また、日本で1人の感染者から広がるのは1.21~1.35人で、感染力は季節性インフルエンザと同じか弱いことも判明した。7日付の英医学誌2誌に発表した。
ウイルスの表面にはヘマグルチニンという突起があり、この突起を使ってヒトの細胞に侵入する。研究チームは、新型と同じH1N1型の過去のウイルスで、ヘマグルチニンの先端構造を比較した。
その結果、1918~40年代前半に流行したスペイン風邪や同時期の季節性インフルエンザのウイルスは、先端の構造が同じだったことが分かった。これに対し、77年以降は同じ構造を持つウイルスが、ほぼなくなっていた。このため、60歳代以上では新型に免疫を持つようになったと考えられる。
さらに、確定患者約3500人を対象に感染のしやすさを調査。20~39歳を1とした場合、19歳以下は2.7倍、40~59歳が0.56倍、60歳以上は0.17倍となった。
西浦さんは「再流行が起きても、小規模な流行にとどまるのではないか」と話す。
2010/01/08/毎日新聞


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