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2008.12.25

鳥インフルエンザH5N1のオオハクチョウへの感染経路

今年のゴールデンウイーク前後に十和田湖、野付半島、サロマ湖のオオハクチョウで、鳥インフルエンザA/H5N1亜型の感染が確認されました。
そのとき、このオオハクチョウは何処でH5N1に感染したのか、その感染経路について興味がありました。

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先日、環境省の「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る都道府県鳥獣行政担当部局等の対応技術マニュアル」をパラパラと眺めていたら、感染経路について簡単に記載されていました。
同資料(99~100頁 「オオハクチョウから確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染経路等について(概要)」)によると、下のように渡り鳥が関与した2つの可能性が提示されています。

a 3月から4月にかけて、ウイルスに感染したガンカモ類が、朝鮮半島又は大陸から日本へ飛来し、オオハクチョウに感染した可能性。
b 冬期に感染したカモ類が飛来し、4月までカモ類で感染が継続し、オオハクチョウに感染した可能性。

いずれも、渡りの時期は違っていても、大陸や朝鮮半島から飛来したカモ類などによって、ウイルスが持ち込まれたということです。

山口、京都、宮崎、岡山の養鶏場で、鳥インフルエンザH5N1の発生があったり、オオハクチョウでの感染があったりする割には、下表のように野鳥での感染事例は少なく、また、野鳥の糞の調査なども大規模、広範囲に行われているけれど、なかなかH5N1ウイルスはつかまらないんだよね。
この辺が、ミステリーだと思います。

国内の野鳥における鳥インフルエンザA/H5N1亜型ウイルス感染事例

引用文オオハクチョウから確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染経路等について(概要)
感染経路等調査ワーキンググループ
5.国内及び発生地(十和田湖、野付半島、サロマ湖)へのウイルス侵入経路
(1)北海道東部で確認された事例は、感染地域が渡りの経由地であったことと、多くのオオハクチョウが集まる場所であるにもかかわらず、それぞれ1個体ずつであったことから、北海道で感染したのではなく、国内の別の場所で感染して移動してきた可能性が考えられる。
一方、十和田湖における感染は、局地的に複数羽確認されているため、オオハクチョウの集団内での水系感染による小規模な流行があったと考えられる。
(2)本ウイルスは、これまで国内で分離されたウイルスと異なっており、国内における直近の家禽での発生事例もないことから、過去に流行したウイルスが国内に潜在していて、オオハクチョウに伝播したとは考えられない。このため、当該ウイルスは、国外から日本に持ち込まれたものと考えられる。
(3)発生地が観光地であるため、海外との人的交流や物流ルートによるウイルス侵入の可能性も完全に否定はできないが、これとオオハクチョウを繋ぐ具体的な伝播経路は想定できない。
(4)流行地から飛来する鳥類によって国内にウイルスが持ち込まれた可能性としては、次のことが考えられる。
ア.3月から4月にかけて、ガンカモ類などの渡り鳥が朝鮮半島から日本に飛来することは知られていないが、ガンカモ類及びその他の鳥類が朝鮮半島を経由して、または大陸から直接、飛来し、ウイルスを伝播した可能性
イ.当該ウイルスは、カモ類に対して致死率が高いと考えられるものの、冬期に感染したカモ類が飛来し、死亡個体は人目につきにくいこと等から、確認されず4月まで感染が継続し、ウイルスが存在していた可能性
野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る都道府県鳥獣行政担当部局等の対応技術マニュアル
2008年9月/環境省自然環境局

引用文野鳥の餌付け禁止広がる 鳥インフル懸念、渡り鳥飛来地で
渡り鳥の飛来地として有名な湖沼などを抱える自治体の間で、住民や観光客による野鳥の「餌付け」を禁止する動きが急速に広がっている。餌付けでより多くの鳥が集まり、鳥インフルエンザの感染が拡大するという懸念からで、飛来地への立ち入り禁止に踏み切った自治体もある。禁止に対し「野鳥と触れ合う機会を奪う」と批判的な意見も出ている。
最上川の河川敷にある「最上川スワンパーク」(山形県酒田市)。ハクチョウ約1万羽が越冬する日本一の飛来地だが、餌付け行為の防止を徹底するため、10月中旬から野鳥が特に集まる川沿いの約180メートルは観光客らの立ち入りを禁止した。
2008/12/16/日本経済新聞

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