医療従事者の26%が転職!?
新型インフルエンザが流行したら医療従事者の26%が転職を考えているという産業医科大学の調査結果を読売新聞が報じていました。
約1万人が対象で回答数が約7400人というから調査としては、十分なサンプル数と思います。
どのような設問での結果だったのか記事からはわからないけれど、医療従事者の約1/4が転職を考えているという調査結果は、考えさせられるものですね。
鳥インフルエンザH5N1亜型が、トリに対する病原性を維持したまま新型インフルエンザに変異し感染爆発した場合、ただでさえ医療現場はあふれる患者で混乱するのに、それに加えて対策の最前線の医療従事者が不足するとなると、ぞっとします。
ただ、転職を考えていると回答した人の気持ちもわからないわけではないです。
研究チームの高橋謙・産業医大教授は、「予防に関する知識が必ずしも十分でなく、不安が先行している可能性がある。」と分析しているから、多分そのとおりだと思うけれど、医療従事者は、新型インフルエンザの知識があるからこそ不安を感じているのかもなんて思ったりもしました。
パンデミックの際にもっとも優先的に処方されるであろう、プレパンデミック・ワクチンや抗ウイルス薬が、まだ出現していない新型インフルエンザから自分の身をどの程度守ってくれるかわからないし、防護服やマスクやゴーグルを装着しての診断・治療行為だって容易なことではないと思います。
ましてや、鳥インフルエンザH5N1亜型のヒトに対する病原性を知っていれば・・・
小さな子供や高齢者を家族に持った医療従事者だっているでしょうからね。
そうした状況の中で、僕らは覚悟を決められるかてことなのかな。
新型インフルエンザ流行なら…看護師「転職」31%
新型インフルエンザが大流行した場合、医療従事者の26%が転職も考えていることが、産業医科大学などの調査で分かった。患者に接する機会が多く、インフルエンザの予防知識が十分でない人ほど、不安を強く感じる傾向が見られ、医療従事者への研修なども必要になりそうだ。
調査は、6都府県の七つの大学病院などで働く約1万人を対象に実施、約7400人から回答を得た。
複数回答で、75%が「仕事で感染するリスクがあるのは仕方がない」と答える一方、26%が「感染リスクがあるなら転職も考えたい」とした。
転職を考える人は、看護師が31%と最も多く、次いで、技師や事務職員が23%、医師が17%だった。
看護師は、患者に接する機会も多いだけに、68%が仕事を通じて新型インフルエンザに感染する恐れを抱いていた。
研究チームの高橋謙・産業医大教授(環境疫学)は「予防に関する知識が必ずしも十分でなく、不安が先行している可能性がある。新型インフルエンザに関する教育、研修などの取り組みを、各施設で強化することが重要だろう」と話している。
2008/01/26/読売新聞
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コメント
kazeさん、コメントの追加ありがとうございます。
「叩くだけでは何の解決にもならない」に激しく同意です。いつの間にか(もう20~30年も前くらいから)新聞の記事に記者の真剣な筆跡を見出せないなぁと感じることが多いです。
政府を批判、教師を批判と読者の反論を避けるほうに多くの記事は流され気味です。もっと読者を、子どもの親をリードするような踏み込んだ内容を記載できないのでしょうか?たぶん記者には書く余力はあると思うのですが・・・。
投稿: ニャンゴロ | 2008.02.05 01:42
ニャンゴロさん、こんにちは。
父をがんで亡くした僕としては、母君の順調な回復は、なにより喜ばしいことと感じます。最近はがんの治療が進歩しているようで、がん細胞が全身に転移する以前なら、治癒率はかなり高いそうですね。
自己の細胞がコントロールを失い勝手に増殖するがん、ある意味、高齢化社会になればなるほど増える病気だと思います。
親が歳を重ねると病院、それも外科にかかることが多くなりますね。その時、医師や看護師の労働の過酷さにびっくりさせられます。
その過酷な条件の中で働いている彼、彼女を支えているものは、何なんだろうと考えることがあります。
時々、マスコミは、医療ミスのパッシングをします。でも、叩くだけでは何の解決にもならないんだよね。
投稿: Kaze | 2008.02.04 21:31
kazeさん、こんにちは。
身近なお話なんですが、母が癌で入院・手術をしました。とても経過は順調で、術後3週間ほどで退院できそうです。学生時代に入院中の私を見舞いに来ていただいた頃とは、手術の技法や経過時間の使い方に著しい変化(=進歩)が感じられて新鮮です。
で、久しぶりに病院に入り浸っていますが、本当に外科とか産科では医師の不足が感じられます。よく救急車で搬送中に、10回も入院拒否されたことなど記事で見ますが、母の治療のときも何枚もの誓約書にサインが必要でした。聞く母はもちろん、30代前半と思われる執刀医にとっても説明の時間は辛いものでした。母にはとにかく先生を信頼して、何でもサインしなさいと強要してしまいました。
一方で実家の周囲を見回すと、歯科、眼科、皮膚科、小児科、耳鼻科・・・そんな街医者は増えましたね。リスクの高い、手術の結果、人の「生」に大きな影響を与えかねない科には、医師が手薄になっているような気がしています。先生も大変だけど、医師もちょっとしたことで恨まれたり訴えられたり・・・。
子ども好きな人が先生になったり、健康を噛みしめて生きている人が医師になったりすればいいのにね。
投稿: ニャンゴロ | 2008.02.03 23:09