鳥インフルエンザは人にどのくらい感染しているのだろう?
中国で人から人への感染が疑われる鳥インフルエンザ A/H5N1亜型が発生しました。(「中国で鳥インフルエンザが人から人に感染?」(2007.12.10を参照))
この鳥インフルエンザ H5N1亜型のトリからヒトへの感染は、アジアを中心に発生し死亡者もでています。世界保健機構(WHO)の資料では、2003年から'07年12月12日までに12ヶ国338人の患者が確認され、そのうち208人が死亡しています。これは、あくまで研究機関でH5N1のウイルスが確認された数字(多分、感染者からウイルスやその抗体が確認されたものだと思います。)ですから、実際はもう少し多いのかもしれません。
国別では、インドネシアとベトナムで全体の2/3を占めています。
致死率は約6割、恐ろしい病原性ですね。(表1)
でも、4割の人はなんとか生き延びている。この生死を分けた違いは何処にあるのだろう?
図1は患者数と死亡者数の推移です。2003年にトリからヒトへの感染、死亡が確認され、年を追うごとに、患者数、死亡者数も増加しましたが、今年は12月12日まですが減少しています。
この減少が、一時的なものなのかトリからヒトへの感染を防ぐ手だてができたのか、わかりません。
WHOは、パンデミックに至る過程を下の表のようにおおまかに6つに分類しています。
現在は、「人から人への感染は無いか限定的」というフェーズ3です。
先日の中国での事例がどう判断されるのか、フェーズ3のままなのか、4に移行するのか気になるところです。
現状のヒトに対する病原性が非常に高いH5N1、ヒトへの感染に最適化したときにどの程度の病原性を持つのかわからないけれど、下記、朝日新聞の引用記事のような厚生労働省の法改正は当然なんだろうな。
なお、ヒトに対する鳥インフルエンザの感染状況は、WHOの Avian influenza に随時掲載されています。
鳥インフル、強制入院可能に 厚労省が感染症法改正へ
新型インフルエンザへの変異が懸念される鳥インフルエンザ(H5N1型)について、厚生労働省は2日、感染症法を改正して「2類感染症」に規定する方針を決めた。感染者が出た場合、強制入院や就業制限など拡大防止策がとれる法的位置づけとなる。次期通常国会に提案する。
2007/11/03/朝日新聞
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