タミフル耐性ウイルスと市中型MRSA
海外での鳥インフルエンザA/H5N1型のタミフル耐性ウイルスの出現について、以前のエントリーに書きましたが、今度はB型インフルエンザで人から人へ感染するタミフル耐性ウイルスが確認されたことを、4月4日のNHKニュースが報じていました。
一方、市中型で強毒性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が見つかったことを、4月2日の読売新聞が報じています。
橋本 一さんの「薬はなぜ効かなくなるか」などを読むと、細菌の薬剤耐性を獲得する方法の巧みさに驚かされます。一方、ウイルスはウイルスで、抗ウイルス剤はまだ少ないけれど変異のスピードを考えると、耐性ウイルスが出やすいんだろうと思います。
MRSAて、免疫力が正常な健康な状態では問題にならないと思っていたけれど、強毒の株があるんですね。
B型インフルエンザはタミフルがなくても、何とかなるのだろうけど、病原性の高い新型インフルエンザがなんらかの形でタミフルをはじめ薬剤耐性を獲得して出現したら、ゾッとします。
気になるニュースです。
タミフル耐性ウイルスに感染
東京大学医科学研究所の河岡義裕教授と横浜市の「けいゆう病院」の菅谷憲夫小児科部長などの研究グループが、2年前の冬、国内のインフルエンザ患者400人余りからB型のウイルスを採取して調べたところ、7人からタミフルが効きにくい耐性ウイルスが見つかりました。このうち6人はタミフルを服用する前の段階で見つかったことから、ウイルスは患者の体の中で耐性を持ったのではなく、兄弟などほかの人から感染した可能性が高いということです。タミフルの耐性ウイルスはすでに報告されていましたが、人から人に感染したと見られるケースが確認されたのは初めてだということです。河岡教授は「タミフルは耐性ウイルスが現れにくいと言われてきたが、人から人に感染が広がるおそれも出てきた。タミフルに頼ったインフルエンザの治療を見直し新たな薬の開発を進める必要がある」と話しています。
2007/04/04/NHK
「市中型」MRSA感染で1歳児死亡、国内で初の確認
医療施設内ではなく日常生活の場で感染する「市中型」のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染した関東地方の1歳男児が昨年、肺炎で死亡していたことが2日分かった。
市中型MRSAは、健康な子どもや若者に感染することが多く、欧米で問題になっているが、国内で確認された死亡例は初めてという。
男児は、発熱やせきなどの症状を訴えて受診した病院で肺炎と診断され、北里大病院に入院した。抗生物質などの治療を受けたが症状は改善せず、入院10日目に死亡した。体内からMRSAが検出された。
検査の結果、院内感染する菌とはタイプが異なる市中型で、しかも強毒性だった。感染経路は不明。
2007/04/02/読売新聞
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