アニマルズ/ピンク・フロイド
「ロックは子供達と、バカな大人達だけのための音楽だ。」と、村上 龍は「アニマルズ」のライナーノーツに書いています。
印象に残るレコードは、勿論、その音楽が印象に残るのだけど、「アニマルズ」は、ライナーノーツが印象に残っているという変なアルバムです。
日本版「アニマルズ」のライナーノーツは、ピンク・フロイドということもあり、音楽評論家の渋谷陽一、画家の横尾忠則、作家の村上 龍、写真家の篠山紀信、そして女優の鰐淵晴子という著名人が書いています。
その中の「破局点」というタイトルの文中で、「ロックは子供達と、バカな大人達だけのための音楽だ。」と村上は書きます。なかなか的を得た言葉だと思いませんか?
そう言えば、村上は短編「駅前にて」で、ピンク・フロイドの箱根でのコンサートを背景に使っていました。ライナーノーツでは、余り肯定的にピンク・フロイドを書いてはいないけれど、村上といえども彼らの作品には興味をひかれるのだろうね。
「アニマルズ」は、ロジャー・ウォーターズの憂鬱が大仕掛けに表わされた大作「ザ・ウォール」のひとつ前の作品です。
資本家や政治家を豚、勝ち組ビジネスマンを犬、一般大衆を羊と捉え物語が展開するコンセプト・アルバムですが、捉え方がステレオタイプでウォータズらしくないと思います。「原子心母」や「狂気」のような実験的な新しさはないし、「ファイナル・カット」のような鬱々とした心地よさもありません。
たぶんそれは、ピンク・フロイド自身が一番わかっていると思うけれど。
でも、久し振りに針を落として聴いてみると、そこに流れる音はピンク・フロイドだし、中でもデイヴ・ギルモアのギターはいいですね。
Animals
Richard Wright(org) Dave Gilmore(g) Roger Waters(b) Nick Mason(ds)
PINK FLOYD/CBS Sony/1977
01. Pigs on the Wing, Pt.1
02. Dogs
03. Pigs(Three Different Ones)
04. Sheep
05. Pigs on the Wing,Pt.2
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